GARO, “GARO” (1971)
携帯に舞い込んだ渋谷・TAUTAYAのレンタル半額キャンペーン。ここは以前から狙っていたブツをまとめ借りなのだ。で、これは名盤の誉れ高いGAROのファーストである。数年前に出たボックスものも買いぞびれ、中古屋では10年近く探し回っても遭遇せず、という逸品。レンタル屋で借りれたなんてね。自分の間抜けさ加減を呪うのです。
このアルバムとの出会いは高校時代に遡る。CSN&Yで洋楽に目覚めた僕は、ほどなく和製CSN&Yの異名をもつGAROにたどりつく。もちろん「学生街の喫茶店」なんかで知ってはいたのだが、アコースティックロック色が強かった一枚目の存在は知らずにいたのだ。同時期に、富澤一誠著による「失速〜ガロが燃え尽きた日」という本も店頭に並んでいた。この作品は、今に至るまで議論の多い一冊だけれども、間違いなく僕をGAROへと導いた一冊だった。とは言っても、80年代初頭には既に廃盤になっており、あちこち探して北18条駅の北大教養部そばにあった中古レコード屋でLPに遭遇したのは、高校三年の夏だったろうか。予備校の夏期講習帰りかなんかだったと思う。この一枚は、LPを大量に処分したときも生き残り、未だに手元にある。でも、プレーヤーがないんだけどね。
さて家に戻ってLPに針を落とすと、そこには邦楽とは思えない世界が広がっていた。1. 「一人で行くさ」の、イントロでのアコギの絡み、いきなりの三度コーラス、これはCSN&Yの”Deja vu”とか、Americaの”Homecoming”に針を落としたときと正に同じ感覚で、すっかりやられてしまった。この一曲は、GAROの曲としては最も好きな曲のひとつだ。4, 「何もかも遠くに」あたりは、Stepehn Stillsっぽいよねえ。6. 「暗い部屋」は、あまり好きではない曲調なのに、なぜか深く囚われてしまった曲。8. 「小さな恋」は、当時はそのわかりやすさが好きだった。今思えば、甘ったるすぎるけど。9. 「地球はメリーゴーランド」は、今でも好きだなあ。Bee Geesっぽいんだよね。
1983年に江古田マーキーでの堀内・日高二人だけの再結成ライブには行ったが、三人揃っての再結成は日高さんが他界したことであり得ないことになってしまった。久々に聴いてみて、黎明期の日本のアコースティックロックを代表するバンドであることを再確認。はっぴえんどほど後世にインパクトを与え続けられるグループではなかったかもしれないけど、好きだなあ。洋楽で言えば、AmericaとかBreadとかと似たような位置づけですかね。