このページでは、それぞれ単独のページとして独立させるだけの内容がない、その他の地域の女性シンガーたちを一挙に紹介。-- Hayley Westenra (Australia) / Noa (Isreal)
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1987年、New ZealandはChristchurch生まれ。どこまでも澄み切った声質は例えようがなく美しい。Universal系のDeccaレーベルから、クラシック系として世界デビュー。日本では「ヘイリー」として売り出されている。美声系定番の"Amazing Grace"が、フジ系TVドラマ「白い巨塔」のエンディングテーマに取り上げられ、俄然注目を集める。
このCDを購入したのは、私ではなく、妻であった。上述のように、"Amazing Grace"が、「白い巨塔」のエンディングテーマとして取り上げられていたのは聴いていたが、なにせ美声系定番の曲、「またかよ」という感じであしらっていたのであった。
しかし、アルバムを聴いてやはりびっくり。この声質は年齢ゆえなのだろうか、とにかく素晴らしいのである。いかにもNZという、マオリのトラディショナル"pokarekare Ana"からアルバムは始まる。クラシックの名曲をアレンジして英詞をのせた"Never say goodbye", "River of dream, "In trutina"などは、彼女のバックグラウンドが出ている作品だ。
そして、あの"Amazing Grace"のアレンジは、BeatlesやAmericaのプロデュースで知られるGeorge Martinなのだ。"Beat of your heart"もGeorge Martinの手による曲。これには、びっくり。
"Who painted the moon back", "My heart and I", "Heaven"あたりも、彼女の声質を堪能できる素晴らしい曲だ。そしてアルバム(輸入盤。日本国内盤は曲順が異なるようだ)を締めるのは、Kate Bushがオリジナルの"Wuthering heights"。矢野顕子さんも歌ってましたね。
まとめると、癒し系が求められる今の時代の要請に正に応える一枚。次作あたりで彼女自身の色が出てくるとどうなるのか、と楽しみだ。
イスラエル出身のシンガー。デビューアルバムは、Pat Methenyプロデュースだという事でも話題になる。歌は上手し、自分のバックグラウンドである中東の音と、アメリカンサウンドを非常にうまく調和させたそのセンスに圧倒される。最近はメセニー人脈から外れ、レーベルもGeffinからUniversalへと変わっているが、相変わらずご活躍中の模様。
これがデビュー盤。プロデュースはPat Methenyで、何曲かはPat Metheny Groupがバックで演っている。特に、Lyle MaysのKeyboardが初期のPMGを思い起こさせる、素晴らしく優しい音に仕上がり。PMの直接参加はバックボーカル(!)での一曲のみ。
私のおすすめは2曲目の"Wildflower", 7曲目の"Lady Night", 9曲目の"It's Obvious"である。Noaの歌と、Lyle Maysのピアノ・シンセのからみがめちゃくちゃ泣ける。
上の3曲のほかにも、"Desire"もおすすめ。
私は好きになれなかった。PMGの面子の参加はなく、音は一気にハードになってしまった。
1994年秋に天王洲アイルでのライブに行った。ライブでは、ギターと二人だけのアコースティック編成だったが、リズムが全然CDとは違っていたのに、多少面食らった。おそらく、この日に聞かれたリズムが彼女本来のリズムなのであって、CDの方ではPat Metheny Groupのリズムの枠の中にはめられてしまっていたということなのだろうと思う。