このページでは、それぞれ単独のページとして独立させるだけの内容がない国産系の女性シンガーたちを一挙に紹介。今井美樹/太田裕美/大貫妙子/小泉今日子
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女優・歌手・布袋の嫁さん
実はまじめに研究しているというわけでもないので、ベスト盤を挙げておく。歌っている曲の大部分は正直言って好きでも嫌いでもない。では、なんでまた彼女をone of my favorite female singersとして挙げたのか?
理由はただ一つ、この人の声なのだ。今の日本の売れている女性シンガーの大半って、高音域を気張って出しているぢゃあないですか。この人は高音域を「抜いて」出せるところが生理的に好き。声はわりにほそい方なのであろうと思うが、それが良いほうに出ているみたい。こういう声の出し方できる人がいたら、ユニット組んでやってみたい。
好きな曲は「瞳がほほえむから」と"Piece of my wish"で、どちらもドラマに使われていたはずだから、まあ月並み。
1955年生まれ。スクールメイツを経て、1974年のデビュー。クラシックのピアノ教育を受けた経歴から、デビュー曲はピアノ弾き語りの「雨だれ」。1976年の「木綿のハンカチーフ」でブレーク。その後、NYへ渡ったり、結婚したりで、ブランクもあったが、最近はNHK御用達のお母さんシンガーとしてTVで見ることも多い。
私が最初に買ったEPレコードがは、1976年の「赤いハイヒール」でした。小学校6年生のときのことです。「赤いハイヒール」は「木綿のハンカチーフ」の次作として発売された作品です。「木綿のハンカチーフ」では上京者は男性・地方に留まったのは女性というのが語り部の役割分担でしたが、「赤いハイヒール」ではこの性別が逆転します。二匹目のどじょう作戦が明確な曲で、余勢を駆ってそれなりに売れましたが、今聴いてみると冴えのない曲です。
そのB面曲が、この「茶いろの鞄」です。ソフィスティケイトされた運びのメロディーの運びは、この時期の歌謡曲とは明らかに一線を画する秀逸なものです。コード進行には、ジャズの要素がちょっと入ってるでしょうか?
たとえば「木綿のハンカチーフ」でのストリングなどのような、いかにも歌謡曲歌謡曲したアレンジは今となっては堪え難いのですが、この曲のアレンジは、なんとか現在でも我慢出来る程度の仕上がりになっています。イントロや間奏での、フルートのフレージングはかなり自由で、この曲の雰囲気をかなり決定づけています。荒井由実の「あの日に帰りたい」とか、丸山圭子の「どうぞこのまま」といった、ボサノバっぽい曲が流行った時期に重なる、というのもポイントかもしれません。
一方、不良ロック少年と思いを寄せる少女、そんな時代を振り返るという歌詞は「青春のしおり」あたりと共通するものなのですが、松本隆さんの定番ワード「路面電車」が登場するあたり、それはまぎれもなく風街ワールドです。ディープな地方生活経験のない松本さんが書く田舎は、どこか薄っぺらい気がします。やはり、都会に徹した詞にこそ松本さんの真価があるように思います。
そして、裕美さんの歌です。彼女は時として、元気に歌いすぎて曲をダメにしてしまうという失敗をしでかしていたように思います。特にそれは「高音域を張りすぎてしまう」という点に現れるのですが、この曲ではうまくファルセットで抜いて、力の抜けた雰囲気を醸し出しています。
なので、実はこの曲が太田裕美の最高傑作、というのが今日の私の結論です。[初出:2009.8.9付けblog]
ベスト盤ではあるが、シングルコレクションではない、渋めの選曲。ライナーノーツには、全曲に関して、太田裕美自身によるショートコメントがついている。
やはり、初期の松本隆作詞、筒美京平作曲の一連の作品は素晴らしい。当時私は小学生だったが、太田裕美ファンってのは大学生の世代に多かったような記憶がある。「青春のしおり」とか「茶いろの鞄」なんかを聴くと、その訳がわかる。こういう曲がいいと思われるようになったのは、やはり私自身がCSN&Yに染まり、「はっぴいえんど」に染まり、という経過を辿ったせいだろうか。
「雨だれ」、「夕焼け」、「九月の雨」などのシングルA面曲は、もちろんいい。しかし、やはりは決め手は「木綿のハンカチーフ」だろう。この一曲が無ければ、私はクラシックしか聴かない人のままで終わったかもしれない。
「恋愛遊戯」、「心象風景」、「煉瓦荘」、荒井由実詞・曲の「青い傘」、伊勢正三詞・曲の「君と歩いた青春」とかも名曲。これだけいい曲をもらっていながら、ビジネスとしては「歌謡曲」に軸足を置かざるを得なかったところが、太田裕美の中途半端さなのかもしれない。こういう曲を、昔の歌謡曲アレンジじゃなくて、今の音でアレンジし直して、まとめてアルバムにしてくれたら、即買ってしまうな。
しかし、こうやって改めて聴いてみると、高音域を力まずに抜いて出せる歌い手さんが好きな自分の趣味の原点が太田裕美にあることを認識させられる。自分の年齢も当時の4倍ほどになっているのだが、変わらないものは変わらないのだね。
1973年の「ライブ・はっぴいえんど」でバックコーラスをしていたりもする。言わずと知れた「シュガーベイブ」を経て、シングルデビューしたのが1976年。特別大ヒットがあったわけでもないが、根強い支持を受け続けている。私の頭の中では「鬼才」という扱い。
アルバム単位でフォローしてないので、企画ものアルバムを紹介する。真面目なファンの方、ごめんなさい。
「黒のクレール」は、「やっぱり大貫妙子は鬼才だなあ」と思ってしまう曲。「愛の行方うらなうとき・・・」のあたりのフレーズを聞くと、他の日本の女性ミュージシャンを寄せ付けない高い音楽性に圧倒される。
一方で、「海と少年」のようなポップスの王道を行く曲をかけてしまうところがすごい。この曲は、アレンジ・キーボードに坂本龍一、ギターに鈴木茂、ドラムに高橋ユキヒロ、ベースに細野春臣と、すごい顔ぶれだ。
ところで、わたしの一番のお気に入りは、大貫妙子っぽくない「ピーターラビットとわたし」だ。坂本龍一のアレンジがやっぱりすごいのだ。あと、「横顔」もとても好きな曲。しばらく前に、NHK-BSの京都を紹介する番組の主題歌として使われていたし、EPOもカバーしていた。「愛の行方」、「幻惑」、「夏に恋する女たち」、「最後の日付」も、名曲だと思う。
うーん、やっぱりすごい・・・。勉強しなおして、隠れ名曲発掘せねば。
1982年3月のデビューだというから、芸歴25年を超えているのか。アイドルとしての最盛期の記憶は殆どない。女優・歌手兼業だった90年代前半くらいに、ドラマとのカップリングで歌っていた曲を中心に書いてます。
アルバム単位でフォローしてないので、ベスト盤を紹介する。真面目なファンの方、ごめんなさい。
しょっぱなの"My sweet home"は、TBSの東芝日曜劇場「Sweet Home」(1994)の主題歌。山口智子がお受験ママを演じたやつでしたね(遠い目)。作詞は小泉今日子自身、作曲が小林武史。歌が上手でないのは仕方ないのだが、いい曲なのです。
「優しい雨」も、さびの印象が強烈な曲。作曲は鈴木祥子さんだったのだと、最近気付いた。TBS系ドラマ「愛するということ」(1993)の主題歌だったが、ドラマの内容はさっぱり覚えていない。
そして「この曲で決まり」というのが、「あなたに会えてよかった」。この一曲のために、わざわざCDを買ったようなものだ。TBS系ドラマ「パパとなっちゃん」(1991)の主題歌。パパが田村正和、恋人役が大江千里だったかな。ドラマの内容は今となっては思い出せないくらいなのだが、この曲は今でも聴いてしまう。""さよならさえ上手に言えなかった"という歌詞が泣ける。どうでもいい話だが、Kinki-kidsと吉田拓郎がやってた番組で、篠原ともえがこの曲をアコースティックバージョンで歌っていたことがあった。これも涙ものの素晴らしい出来映えで、篠原ともえ株が私の中で急上昇したのであった。
そして「月ひとしずく」。井上陽水・奥田民雄・小泉今日子の共作だが、奥田カラーが強いと思われる。これもまたまたTBS系ドラマ「僕が彼女に、借金をした理由」(1994)の主題歌。
「ラブバラ(Love Ballad)」は、フライングキッズの浜崎貴司とのデュエット。懐かしい人だなあ。「おやすみ・・・」も密かにいい曲だ。Pat Methenyっぽいバックのギターがいいね。