Alanis Morissette, “jagged little pill” (1995)

これがソロデビューアルバムらしい。一番強烈な印象を与えたのは、大当たりした“ironic”だろう。この曲のサビは頭にこびりついて離れない。この当時私はアメリカにいて、ケーブルTVのMTVで流れているこの曲のビデオクリップを何度となく見た記憶がある。あるときカナダ人の仕事仲間が、私のアパートに泊まりに来ていたのだが、ビデオを見ながら「この人はカナダ人なんだ。」と言っていたのが思い出される。

フォークっぽさを残したシンガーソングライターとしての顔と、ぶち切れかけたロッカーとしての双方の顔が思わぬタイミングで入れ替わる、その自由さに圧倒されてしまう。たとえば、三曲目“Perfect”の、昔ながらのフォークっぽい導入部は、なんと綺麗なことだろうか。かと思えば、いきなりの一曲目“All I really want”でのロッカー振りは、なんと激しいことだろうか。