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Jewel, “pieces of you” (1994)

フォークっぽい音の仕上げが光るソロデビュー盤。まずあら捜しなのだが、ライブ録音の曲が多いせいか、リズムがかなり走り気味で落ち着かない。“Adrian”あたりのピッチの落ち着かなさも、ちょっとどうにかして欲しい。

で、けなすのはこのあたりにしておいて・・・。表題曲の“pieces of you”“Little Sister”は、ギター弾き語り曲なのだが、このギターの感じはDavid Crosbyとか初期のJoni Mitchellに通じるものがあるな。ちょっとカントリーフレーバーの“Morning song”も気持ちのいい曲だ。Jennifer Kimballと共通する部分も感じる。

だんとつにいいなあ、と思う一曲が、“Near you always”。このギターは、未解析だけれど、オープンチューニング使っている模様。Jackson BrowneのアルバムでのDavid Lindreyのプレーというのが一番ぴったりと来る例えかな。イントロで一瞬Byrdsっぽいなと思ってしまったのだが、トーンとかフレーズの運びがPat Methenyっぽくもある。歌ももちろんいいね。

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Jewel, “Joy” (1999)

いわゆるクリスマスアルバム。この文章を書いているのは夏の盛りなので、全くピンと来ないなあ。サウンドとしてチャレンジングなところもないしね。

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Jewel, “Spirit” (1998)

泥臭いフォークの残り香が漂う、しかししっかり90年代している、とてもアメリカンな素晴らしいアルバム。(商業的に成功してる人の中では)Alanis MorissetteSheryl Crowがロックっぽい路線を代表するとすれば、JewelとLisa Loebが、アコースティック路線を支えている、というのが私の捉え方。

しょっぱなの“Deep water”から、非常に良いのだ。James Taylorっぽくもあるし、Lisa Loebっぽくもある。ピッチもデビュー盤と比べて格段に落ち着いて、非常に安心して聴ける。“What’s simple is true”“Hands”と良い曲が続く。“Down So long”は、音使いがCrosby and Nashっぽいかなあ、と思う。“Enter from the east”は、これはもう初期Joni Mitchellとしか言いようがないですな。Pedal steel Gtr.が印象的な“Barcelona”なんかは、初期EaglesとかJackson Browneっぽさも感じさせられる70年代西海岸サウンド炸裂って感じ。ドラムの音が、またいかにもそれらしい。

と、ここまで書いて気付くのだが、特に新しいことをやってるわけではないのだ。しかし、80年代にすっぽり抜けてしまったこういう音作りを、90年代にしっかりもう一度やってくれた、というところに共感してしまうのだな。私は70年代の音が好きだったのに、80年代に青春を過ごしてしまった人間だから。