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Shelby Lynne

Shelby Lynne, “Identity Crisis” (2003)

これは、ある意味正統的なナッシュビルっぽいカントリーアルバムですね。カントリーロックとブルーグラスには対応できるのですが、純カントリーはどうも苦手です。しいて言えば、1. “Telephone”, 3. “If I Were Smart”あたりはまだ受け付けますが。

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Shelby Lynne, ”I am Shelby Lynne” (2000)

2000年発売のデビュー作で、グラミー新人賞を獲得したアルバム。もっとも、これ以前にC&Wシンガーとしての長いキャリアがあるので、デビューと言うのも実は語弊がありそうだが。アメリカンルーツミュージックの泥臭さを残したロックで、Sheryl Crowのマーケットを食い荒らそうかという見事なかぶり方と思って調べると、プロデューサーが一緒らしい。

1. “Your Lies” , 2. “Leavin'”, 3. “Life Is Bad”あたりが泥臭いロック全開の曲だが、私が心惹かれたのはむしろ 4. “Thought It Would Be Easier”, 8. “Dream Some”あたりの静かな曲。押し付けがましくなく、あっさりと、しかし聴き手を捉える歌というのは、意外に少ないもので貴重。アリゾナの車も途絶えた郊外の道端で、夕暮れ時に聴いてみたくなるね。

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Shelby Lynne

Shelby Lynne, “Suit yourself” (2005)

とにかくすっかりやられちまった作品。

もちろんShelby Lynneにもやられたのだが、それ以上にピーター・バラカンにやられたという印象だ。あまりにも意味不明なので、説明しておこうと思う。ある土曜の朝、ピーターバラカンがDJを努めるNHK-FMの番組を聴いていたら紹介されたのがこの一枚。ピーターバラカンといえば、最近の人には「ドキュメントUSA」などの報道ドキュメンタリーの印象が強いだろうが、我々の世代にとっては80年代半ばの洋楽MTV全盛期に「ホッパーズMTV」という特色のある番組のVJをしていたのが思い出深いはずだ。当時から彼の紹介するクリップは、売れ筋だけを追わない特色のあるものが多く、私もかなり影響を受けたのだが(典型例がSing out sisterかな)、この一枚の紹介がラジオから流れてその記憶がまざまざと蘇ったのだ。やっぱりすごい人だなあ、と。

上記バラカン氏によれば「デビュー作以降はプロデューサーに恵まれずさっぱりだったのが、セルフプロデュースで大復活」なのだそうだ。とにかく最初の一曲1.”Go with it”のフォービートの乗りがすごい。この手のアメリカンな音をここまで見事に演じ切る人は、(私がこの方面に疎いにせよ)初体験だ。2.”Where am I now”, 3.”I cry everyday”といい曲が続く。とにかく「かっこいいなー」という一言なのだ。5.”Old time sake”は、Americaの”I love you”を強烈に思い出す一曲。6.”You and me”も素晴らしい曲だし、と挙げていくときりがない。最後の12.”Track 12″は、12曲目っていうやる気なさげなタイトルなんだけど、けだるさが心にしみてくる佳曲。「スチールギターの音っていいなあ」と久しぶりに思ったな。

とにかく外れのないすごいアルバムで、私的には2005年上期のベストアルバム。強力にお勧めいたします。