Hi-Fi set、”The Best Hi-Fi set”(1998)

これもベスト盤。一曲目の「卒業写真」はライブ録音バージョン。やはり不朽の名曲だ。「土曜の夜は羽田に来るの」も、いい曲だ。この曲が出た頃の羽田は、沖合移転前で、まだ国際空港だったんだろうな。旧羽田空港は、帰省などで何十回と使った空港だ。いろんな事が思い出される。このあたりの荒井由実提供の楽曲は、やはり(本人の歌で聞くより)いいなあ。「中央フリーウェイ」がこのアルバムに収録されていないのは残念。

「フィーリング」はHi-Fi setの最大のヒット曲。売れてた当時はピンと来なかったが、今聞くとやはりいい曲だなと思う。原曲がもちろんいいのであるが。“boy friend”「たった一枚のフォトグラフ」の潤子さんのボーカルもいいな。

しかし、70年代に荒井由美の楽曲を洗練されたアレンジで歌い、時代の先を行ったHi-Fi setではあるが、他に優れた邦楽ポップスミュージシャンを輩出した80年代のシーンにあっては、やはりパンチ不足だったような気がする。今、鈴木・細坪とやってるユニットみたいに薄い音作りの方が、潤子さんの歌が生きるんだな、とこのアルバムを聴いて思った。