この曲の発売は1986.1.22、石野陽子が出ていたTBSドラマの「セーラー服通り」で使われた曲だ。この曲を初めて聴いたときの衝撃は忘れ得ない。PV以外のテレビで渡辺美里を最初に見たときのことは、はっきりと覚えている。当時のランキング番組の最高峰だったTBSの「ザ・ベストテン」初出演のときだ。発売直後が最高で上位からは2-3週で消えてしまうような現在とは違い、当時のチャートアクションはゆっくり上がり、ゆっくり下がっていくのが主流。渡辺美里はランクインした最初の数回は出演拒否をしてから、何週目かにどこかのライブ会場から初登場したのだが、緊張のあまりがちがちになっていたのがテレビでもはっきりと見てとれ、歌の出来も芳しいものではなかった。強がっている19歳、という感じだったが、それでも初めて見た動く渡辺美里には感動したものだ。
それから20年、初出場の紅白でこの曲を聴いてから三時間と経過していない。その時間だけチャンネルを譲ってくれた嫁に感謝。デビュー20周年だった2005年を締めくくるにはふさわしい舞台だったのだろうと思う。久々にテレビで歌っていることを聴いたけれど、その堂々とした様子に、ダメダメだったあの日のベストテンのことをふと思い出した。最近セールスがちょっと持ち直してきている彼女も、先人の白井貴子やEPOのように、売れた時期を過ぎても歌い続けたことで、静かだが強いメッセージを送ることが出来るようになったということか。しばらく渡辺美里ウォッチをさぼっていた僕だが、また注意を向けてみようと思う。