いやはや、大変な時代になってしまったものだ。タワーレコードっていうのは、ある意味僕の今を決定付けたところでもあり、とても寂しい思いがする。
タワーレコードが日本で最初に出店したのが、札幌。1979年のことだという。南3西4の五番街ビルの上の方の狭い店舗だった。輸入のLP特有の匂いが立ち込めた店内が懐かしい。81年の3月にここで購入したのが、CSN&YのDeja vu。邦盤より1000円くらいは安かったのだろうか。乏しい小遣いからLPを買ってみる気になったのも輸入価格だったからこそ。この一枚との出会いが、すっかり僕を変えてしまったように思う。
大学で東京に出てきても、あてにしていたのは、ハンズの向かい・ジーンズメイトの上の渋谷店。何を買いに行くのにも車で出かけなくてはいけないような場所だったアリゾナでも、ラッキーなことに大学から歩いていけるところにTempe店があった。書籍のコーナーには日本の漫画雑誌が5ドルくらいで売っていたりして。週末にLAに初めて出かけてみたときは、サンセット・ブールバード店詣をした。ニューヨーク店も行ったことあるなあ。ひと夏住んだイギリスでは、ロンドンのピカデリーサーカス店の世話になった(既にバージンメガストアに売却されてしまったらしいが)。海外のタワーレコードっていうのは、日本でしか再発されない希少盤みたいなものを輸入して店頭に置いていて、クラシックロックファンの貴重な仕入れ源になっていたようだ。
日本に戻って住んだ金沢では、竪町からラブロ片町に移ったタワーの金沢店くらい輸入盤を扱う大手のCDショップはなく。そして今は、池袋店とか横浜店の世話になっている。
日本法人は2002年から完全に独立してしまっているので影響はないそう。しかし、「どこに住んでも、そこにある」、僕にとってそういう存在だったタワーレコードが、これからはそうではなくなっていくのが時代の流れのようだ。