今住んでいるのは埼玉の奥地なのだが、それなりに区画面積の大きい戸建てが並ぶ環境ゆえ(私はそんなところに住んでないけど)、各家庭でクリスマスデコレーションが盛んに行われていたりする。近年はLEDが使われるようになったため、消費電力も少なくやりやすくなっているようだ。
思い出すのは、10年前にいたアリゾナの光景だ。道端に電飾サボテンがあるのには笑ったなあ。住宅地でも、特定のストリート沿いだけ周囲から浮いたように各戸が張り合っているようなところもあり、不思議な光景だった。
そんな中でも一戸だけ異様に目立つところがあったので車で近寄っていったところ、皆考えることは同じで車を降りて間近に見に行っている。それにならって近寄っていった私の目に映ったのは、聖書のキリスト誕生のエピソードをなぞる人形などのディスプレイだった。はっ、とした。ここには神がいるんだなあ、と。
ひるがえって見れば、サンタはいてもキリストはいない日本のデコレーション。それを職場の後輩に話したところ、彼が面白いコメントをくれた。「日本人はあの一週間で、三つの宗教の行事を、なんのことはなく次々とこなしているんですよ」と。確かに、クリスマス(キリスト教)・除夜の鐘(仏教)・初詣(神道)だ。