The Carpenters, “Gold-Greatest Hits” (2000)

1970年代を中心に大ヒットを連発した伝説の兄妹デュオThe Carpentersのベスト盤。いわゆる「ポピュラー」に分類されるものなので、ロックファンとしてはこれを語るのは気恥ずかしいところもあるのだけれど、やはりKaren Carpenterは不世出・別格の女性シンガーである、と言うのが結論だ。NHK-BSで見たカーペンタース特番で、Richard CarpenterはインタビューでKarenの声をPhonogenic(レコードに乗りやすい)と表現していたけれど、とにかく厚いというか、豊かというか、特に低音域であらゆる倍音成分がほどよくブレンドした声なのだ。

それぞれの人が、それぞれの曲に対していろんな思い入れを持っていることと思う。私は、1. “Yesterday Once More”, .2. “Superstar”, 3. “Rainy Days And Mondays”, 14. “(They Long To Be) Close To You”, 19. “Sing”あたりが、ポップス史を語る上で忘れることの出来ない不朽の名曲だと思う。決して「面白い」と思うような曲ではないのに、「でもやっぱりいい曲」と認めざるを得ないところが、カーペンターズがカーペンターズたる由縁で、長い間人々の心をひきつけている原因なのだと改めて思う。