Vanessa Carlton, “Be not Nobody” (2002)

Rachael Yamagataのページにも書いたのだけれど、ロックっぽいRachael Yamagata、ジャズベースのNorah Jones、そしてクラシックベースのVanessa Carltonと、かなり色分けのはっきりしたピアノ弾き語りのシンガーソングライターが出てきて面白い時代なのだ。

このアルバムはよく売れたし、この人のセンスはやはりすごいと痛感させられる一枚。はっきり言えば、そんなに好きなタイプじゃないはずなのに、何故か延々と聞き続けてしまうという不思議さがある。“White Houses”の、ひたすら刻んでくるバスドラが妙に気になるのだ。ストリングとピアノが絡んでクラシックの匂いをぷんぷんさせながらも、どことなくテクノだ。

“Annie”もVanessaの色が強く出ている曲で、何故か何故か引き付けられてしまうのだ。そして、きれいにまとめた“San Francisco”も素晴らしい。“like a boy of summer gives his first kiss”なんてあたりの歌詞を女性がさらりと歌いきってしまうところが、四十を過ぎてしまった私にはまぶしく、痛いのです。“Papa”みたいな曲も、彼女でないと書けない曲だな。

Vanessa Carlton, “Be not Nobody” (2002)

自分のピアノとストリングのバックアップを多用したアレンジとで、クラシック教育を受けた雰囲気を感じさせつつも、シンガーソングライター系の音を作っている点が面白い。明るくスカっと抜ける曲はなく、マイナー系の曲が多くなっている。

ピアノのイントロが印象的な、3曲目の“A thousand miles”が大当たり。“ordinary day”“pretty baby”“rinse”なんかも良い曲だ。