わたしとしては、二枚目が最高傑作じゃなかろうかと思う。3.「風をあつめて」、7.「夏なんです」などの細野さんのボーカルが好き。高音でのボーカルが取れないことを苦にしていたらしいのだけれども、この頃デビューしたJames Taylorを聴いて開眼したらしい。
8.「花いちもんめ」もすごくいい曲だ。松本さんの新潮文庫から出ている小説なんかを読むと、その背景がわかる。実体験はないけれど、昭和30年代の東京の香りがぷんぷん漂うね。
1970年代初頭に日本語でのロックを確立した伝説のバンド、はっぴいえんどのアルバムをレビュー。女性ボーカルレビューサイト My Favorite Female Singersの番外編
わたしとしては、二枚目が最高傑作じゃなかろうかと思う。3.「風をあつめて」、7.「夏なんです」などの細野さんのボーカルが好き。高音でのボーカルが取れないことを苦にしていたらしいのだけれども、この頃デビューしたJames Taylorを聴いて開眼したらしい。
8.「花いちもんめ」もすごくいい曲だ。松本さんの新潮文庫から出ている小説なんかを読むと、その背景がわかる。実体験はないけれど、昭和30年代の東京の香りがぷんぷん漂うね。
通称ゆでめん。高校時代に中古盤がなかなか入手出来ず、再発の新盤をどきどきしながら購入したのを覚えている。
7.「12月の雨の日」が素晴らしい。音の作りはまったくBuffalo Springfield(ついでに言うと、LPのライナーノーツもBuffaloの”again”そのもの)。それに絶妙としか言いようのない松本さんの歌詞が乗るのだ。 「水のにおいが眩しい通りに」 なんて、これはもう絶対松本さんにしか書けない代物だ。
3.「しんしんしん」は細野さんが歌っているが、これも私のiTunesでは五つ星。9.「朝」もいい曲。
一方で、はっぴいえんどの代表曲と語られることも多い、大滝詠一が歌う1. 「春よ来い」も確かに好きなのだけれども、はっぴいえんどの本領では無いような気がしている。
80年代初頭、僕は中森明菜・河合奈保子派で松田聖子はキライな存在だった。しかし30年近く経ったいま、むしろ松田聖子の曲の多くをはっきり覚えている。「顔や存在は覚えているけど、歌の中身まで思い出せない」アイドルと、「むしろ歌を覚えている」アイドルとが分かれてくる、その要因はまぎれもなく曲の力だ。この一連の作品は、作詞家松本隆と作曲家筒見京平コンビによるもの。この組み合わせが最初に飛ばしたヒットは、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」であるのもよく知られた事実だ。
3/15(sun)放送のTBS「情熱大陸」が、この松本隆さんを取り上げていた。動く松本隆さんをこんなに長い時間見たのははじめてで非常に新鮮だった。「不自然なことは絶対にしない」という作詞にあたっての姿勢が徹底されていて、むしろ50代後半になってその姿勢を貫けることの方が不自然にも思え、面白いなあと思いながら見ていた。
番組での取り上げ方では「不世出のラブソング書き」みたいなポイントが重視されてたんだけど、僕はむしろラブソングではない、はっぴいえんど時代の松本さんの詞が好きだ。「風街」系の情景描写、あれは絶対他の人にはできないもので、あの世界を知るか知らないかで、東京という街の捉え方ががらっと変わってしまうような代物だ。鈴木さんがクスリで捕まってしまいはっぴいえんどのCDが販売中止になったりと、ちょっとイヤな流れが最近あったけれど、ちゃんとはっぴいえんど時代についても番組中で言及されたのはうれしかったな。
ところで、wikiを読んでみると、松本さんは青南小学校卒業なのだね。学生時代、青山の路地裏の学習塾でバイトしていて、ここの生徒や卒業生を何人か教えたことを思い出した。僕が東京に来た80年代前半には、駄菓子屋も路面電車も消えていたけど、当時の光景はやはり僕にとっての風街だ。