荒井由実, “MISSLIM” (1974)

初期四部作の中でも、わたしとしては最高傑作ではないかと思う一枚。

1.「生まれた街で」は、四畳半フォークっぽい材料でもあり、歌謡曲っぽい材料でもあるのに、しっかりポップスになっているというのが不思議な曲。2. 「瞳を閉じて」は名曲。ボーカルのレコーディングはダブリングなのか?これが功を奏している感じ。3. 「やさしさに包まれたなら」も、最近のJR東日本のCMにも使われるなど、時代を超えて通用する曲。4. 「海を見ていた午後」は、山本潤子さんのページにも書いたけれど名曲。歌の巧さとか声質という点をとれば山本潤子さんの足元にも及ばないのだけれど、アレンジも含めた曲の良さとか深みという点をとるとやはりオリジナルのこちらに軍配があがる。これは、「卒業写真」とか「中央フリーウェイ」でも同じことなんだけれど。ちなみに以前ブログにも書いたけれど、「坂をのぼってひとり今日も来てしまった」という歌詞なのだが、これを根岸の方から歩いて登っていったのであれば、それはかなりご苦労さまなことです。5.「12月の雨」は、EPOもほとんどそっくりそのままのアレンジでカバーしていたけれど、やはりいい曲だ。このアルバムにも参加している細野・鈴木両氏が参加していたはっぴいえんどの名曲に「12月の雨の日」というのがあり、なにかしら関連があるのかと昔から思っているのだが、これに関しての記述はどこでも見たことがない。8. 「たぶんあなたはむかえに来ない」は、ピアノとベースがいいなあ。荒井由実の高音域ってのはヘッドフォンで聞いてるとなかなか辛いものもあるんだけど。そしてアルバムを締めるのが、10. 「旅立つ秋」