パンクとしてスタートしたという割には、全編を通じてベンチャーズ・ビーチボーイズっぽい、昔ながらのカリフォルニアサウンド仕立て。とにかく、単純に勢いでもっていってしまえ、という曲が揃っているのだ。しかし、その中にあって、どうにも記憶にこびりついて離れないのが“vacation”。私の履歴のところにも書いたが、高校3年に札幌でも”Best Hit USA”の放映が始まった。その頃ちょうどヒットしていたのがこの曲。簡単なフレージングなんだが、シンセが印象的なのだ。同名のアルバムのジャケットが、いかにもカリフォルニアしていた記憶が鮮明。この一曲を聴きたいがためにこのアルバムを買ってしまった。たとえば、夏の頭が朦朧した時期に、完全に脳味噌溶かしきってとどめを刺したいというような用途には大変向いているアルバムだ。