Rickie Lee Jones, “Pirates” (1981)

二作目となる1981年の作品。Steve Gadd, Neil Larsen, Randy Brecker, Donald Fagen, Dean Parks, Steve Lukatherと涙ものの人々がライナーノーツには並んでいる。一作目が高い評価を受けたアーティストほど、二作目は痛々しい出来になることが多いのだけれど、この自由さは何なのだろう?しかも、一人よがりの楽しさとは異質であるのは言うまでもない。一作目ほどのインパクトは感じられないのだけれど、やはり素晴らしい音に仕上がっていることに間違いはないし、やはり天才なのだなとひしひしと感じる。

1. “We Belong Together”から, 引き込まれていく。2. “Living It Up”なんかはすごくいいなあ。ファンクっぽい4. “Woody And Dutch On The Slow Train To Peking”なんかはとても楽しげ。「この時代っぽい」という意味で圧巻の出来なのは、やはりタイトル曲の5. “Pirates”だろうか。AOR色が強く、特に出だしのあたりにはSteely Danっぽさを強く感じる。曲調がいきなりバラード調に転換して、Rickie Lee Jonesワールドに引きずり込まれていく、いい意味で翻弄されてしまうこの感じはなんなのだろうね。7.”Traces Of The Western Slopes “なんかも複雑な曲なんだけど、さらりとやってくれます。天才の意思をしっかり具現化しているスタジオワークもすごいのだ。3. “Skeltons”, 8.”The Returns”はバラードで、これは実際に聴いてもらうしかない、としか書きようのない美しさ。必聴盤の一枚と言えましょう。