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Joni Mitchell

Joni Mitchell, “Blue”(1971)

フォークシンガー路線時代の最高傑作じゃないだろうか。濃い深い蒼が印象的なジャケットなのだ。CDだからいいようなものの、LPだったらかなり怖いわね。ピアノの弾き語り曲と、マンドリンとギターが絡む曲が大半。Stephen Stillsが“Carey”に、James Taylor“California”“All I want”“A case of you”に、ペダルスチールのSneeky Peteが“California”“This flight tonight”にそれぞれ参加。

“All I want”は、とにかく何かをひたすら求めてさまよってる感じの歌詞。かと思うと、紙切れには縛られないがタイトな関係を歌う“My old man”が直後に来る。この曲は、思わぬメロディーラインの展開を見せるピアノ弾き語り曲だ。“Little Green”は、どことなく”Both sides now”を思わせる曲調。“Carey”はメロディーラインはまぎれなくJoniなんだけど、リズムはすっかりStillsに乗っ取られている曲だ。“California”のどことなくルーズな感じもいいね。

ジングルベルのぱくりで始まるピアノ弾き語りの“River”は、元々好きな曲ではあったのだけれど、後年これを痛烈な印象を伴って思い出すことになった。NHKでも放映されていた「アリーマイラブ」(Ally McBeal)で、Allyの恋人のLarryがこの曲を弾き語りするシーンがあったのだ。クリスマスの直前に、遠くに住む子供を思って歌うのだけれど、重いシーンだったなあ。で、あとは上にも書いた“A case of you”はやっぱり素晴らしい。“California”と言い、この曲と言い、James Taylorのギターだってのは、すぐにピンと来てしまうね。

このアルバムは、MTV系のケーブルチャンネルVH1の選んだ100 Greatest Album of Rock & soul”の第14位にランクされていたことがある。前後は誰でも知っているような名盤ばかりでどれくらい高く評価されているか改めて驚いた。