また、4年も待たされるのだろうとのんびりしていたら、あっさり出てきた新作。日本語版のライナーノーツによれば、サントラ用の単発の仕事が発展して、瓢箪から駒のアルバムに仕上がったそう。ジャケットの写真などを見ると、姿の様変わりに唖然としたりもするのだが、もうデビューから6年も経っているのだから不思議もない。前作での日本のレコード会社のプロモーションはやる気なさげなものだったが、本作ではさらにそれに輪をかけている印象だ。
“How would it be”とか“What if”は、ベースラインがPoliceを思わせるポップな曲で聴きやすい。アコギのカッティングが心地よい“Eyes closed”は、1stの雰囲気を漂わせている。“My lucky day”、“All I can say”あたりは、前作の延長線上にある感じなのだが、どことなく明るさも感じる良い曲なのだ。
しかし、全体としては音の作りが派手すぎて、ボーカルが埋もれてしまっているかな、という印象。彼女のさわやかさと今に壊れてしまいそうな繊細さの危ういバランスが感じ取れないのだ。一作目での“Sitting Down Here”や二作目での“You weren’t there”のような、「この一曲で決まり」という曲もなく、どうにも突き抜けきらないのがもどかしい。しかし悪いアルバムという訳でもなく、前作とは打って変わって本人が楽しそうにやっているというところで評価が難しい(無理な明るさかなとも思ってしまうのだが)。ちなみにこのCD、copy-controlledではあるが、私のカーステで無難に再生できました。これはありがたい。