Matthew Sweet, “Altered beast” (1993)

同じ柄だが色違いのジャケットが多数用意されており、自分で着せ替えできちゃうという変なアルバム。“Life withouot you”“Do it again”みたいなスローなロックバラードはさすが、という出来。“The ugly truth”で気になってライナーを見ると、fiddle (violin)でByron Berlineが参加している。Country Gazetteにいた人なんだけど、みんな知らないだろうなあ・・。“Reaching out”では、Mick Fleetwoodがドラムで参加。これもいい曲だ。“Falling”“what do you know?”“Evergreen”とアルバムの後半にいい曲は集中している。前作ほどは、はまらない出来だが、冒頭でがっかりすることなく後半まで耐えるべし。

Matthew Sweet, “100% fun” (1995)

冒頭の“Sick of myself”のいかれた歌詞に、まず一撃を食らわされる。いいアルバムなのだとは思うけれども、どうしても“Girlfriend”には見劣りしてしまう、という感じだろうか。“We’re the same”を初めとして、アレンジとしてもよく練れていて職人技としてはいいのだけれども、ボーカルの切れがどうも悪くなっているようのが決定的なのかな、と思う。ミキシングのせいかもしれない。

 

Matthew Sweet, “Girlfriend” (1990)

これがソロ三作目だったらしい。ひたすらに快作。レコードコレクターズとかちょっとマニアな洋楽誌では、その年のベスト盤を選ぶような企画があったものだが、かなりの評論家から一位をもらっていた記憶がある。

60年代後半から70年代前半の音を感じさせつつ、でもしっかり1990年の音なのだ。一曲目の“Divine Intervention”のギターサウンドで、しっかりトラップされてしまうのだ。“I’ve been waiting”が一番のお薦め。el.Gtrでのしつこいアルペジオに、ボーカルがかぶる。ポップなんだけど、しっかりロック。表題曲の“Girlfriend”は、なんせ歌詞が“need somebody to love”なので、「あ、Jefferson」と思ってしまうのだ。“Looking at the sun”もメロディーのきれいな曲。“Winona”は、Pedal Steel Gtr.とAc. Gtr.の絡みが印象的な、とても美しいロックバラード。“Evengeline”も、いいロックナンバー。“Thought I knew you”では、イントロのAc. Gtrの絡みは多録なんだと思うけど、わざと息が合わなかったかのように見せかけるアレンジなんか、とても考え付かないよね。“Don’t go”の60年代後半っぽさなど、もう涙ものなのだ。

とにかく外れのないアルバム。絶対の名盤。これを聴かずして、という作品。