Universalからの三作目となるこのアルバムは、一曲を除いてSilje自身による曲で構成されている。Norway本国ではポップスチャートでも、10位台につける健闘を示した。(ちなみにLene Marlinの”Another day”の首位独走が10週を超えた頃の話。)“How am I supposed to see the stars”, “You send me flowers”などの曲では、Siljeが元々持つシンガーソングライター的な要素を強く感じさせられるかと思えば、“Dance me love”などでは、しっとりとしたジャズバラードが聴けたりする。“I don’t want to see you cry”や“Take a long walk”の音の運びからは、なぜかSteely Danが思い出されるのだ。ヨーロッパでSiljeのアルバムがジャズチャートで健闘しているのは、こうした取っ付き易さが大きく影響しているのだろうと思う。昔からのSiljeファンにもお勧めできるアルバム。“Tell me where you’re going”, “Brevet”と並ぶ必聴盤ではなかろうか。
ところで、このアルバム唯一のカバー曲というのが、“This is not America”。1985年の映画”Falcon and the snowman”のサントラに収録された、David Bowie+Pat Methenyという意表を突くコラボレーションによってヒットした懐かしいあの曲だ。SiljeはやっぱりMethenyに戻っていくのか、とも一瞬思わされた。ラストの“On and on”はセルフカバー