10年以上探していたアルバムを、ついに池袋レコファンにて発見。矢吹申彦さん画によるジャケットが当時話題になった作品だ。言うまでもなく、Livingston TaylorはJames Taylorの弟で、70年代に何枚かの作品を残しており、最近もCheskyなどから渋い作りの作品を発表している。本作は1988年に、8年の沈黙を破って発表したもの。プロデューサーにArtie Traumを迎えているというのも、私的にはうれしいところだった。
とにかくやさしい音の作りなのだ。1. “Life is good”は、根底に流れる70年代SSW的なものと、多少の黒い音の影響、そして80年代のシンセを多用したぎらっとした音が絶妙にブレンドした曲。さりげない歌詞がまたいいのだ。2. “Sing I do so well”は、Acc. Gtrのバッキングとサックスの調和がとても好きだった曲。3. “City Lights”も、非常に優しい曲。Jamesとの兄弟デュエットなんだけど、James Taylor & JD Southerの”her town too”を思い出してしまうのだ。4. “If I were you”も、抜けのいいイントロから入ってくる佳曲ですばらしい。5.”It’s love”, 6. “Make it love”といい曲が続き、バラードの名曲7. “Loving arms”が続く。9. “Glad I know your well”も心に染み入るスローバラード。“Falling with with you”も、80年代初頭っぽい音の良い曲だ。
久々にこのアルバムを聴いて、全く違和感がなく、この音がずっと体に染み付いていたってことに気づかされる。全編を通じて、構えのない自然体にも関わらず、だれたところのない絶妙の作品だと絶対の自信を持ってお勧めしたい。