同じ歌い手さんなのに、曲のプロデュースでこんなにもつまらなく聞こえるのか?っていう、妙な感動(失望)があります。”Sing Selah”だけは、まあまあいい曲ですよ。
カテゴリー: アンナ・バナナ
1980年代後半から90年代前半に活動していた女性ボーカリスト・タレントのアンナ・バナナのアルバムをレビュー。女性ボーカルレビューサイト My Favorite Female Singers
アンナ・バナナ, “singz of love” (1994)
以前このページに、「これ(上記の“High Dive”)が現在までのところ、アンナバナナの最後のソロ作品になってしまっているようで、とてももったいないと思う。」と書いていたが、それは間違いであった。偶然出くわして購入した実質4曲のミニアルバムでも上質のポップスが展開されている。
アンナ・バナナ, “High Dive” (1993)
きっかけは、NHKの「みんなの歌」だった。一時期この番組は、(歌詞に色恋沙汰が出て来ないって意味で)若いお母さん向けの曲も流していた。その頃流れたのがこのアルバム中の9曲目、ほんと何気ない昼下がりを歌った“smile”。“ゆっくり過ぎて行く時間も拡がる通り。Afternoon 行き交う人もSmile。樹の葉を縫って踊る様に陽光を投げる”(作詞:吉田美奈子)といった歌詞なのだが、窓の外を行き交う人波をぼーっと見ているのが個人的に好きなので、この曲には大いに感情移入してしまった。「はっぴいえんど」の名曲「12月の雨の日」と同じような世界で面白い。あちらの方は、薄暗い通りを想起させるものではあるが。
アルバムのプロデューサーは、オリジナルラブの田島氏。この当時、邦楽にはあんまり興味を持てなかったのだが、上質なポップスが展開されているこの一枚だけは別だった。(これ以前のアンナバナナのアルバムってテクノ歌謡みたいなもので、あんまり面白いと思わない。)
他の曲では、1曲目の「太陽の季節」、6曲目の「裸になりたい」10曲目の“U & I Forever”あたりが、ゴージャスなポップスに仕上がっている。