Lisa Loebと、IdaのElizabeth Mitchellの共作による、子供向けのアルバム。この二人、大学時代のルームメイトで、”Liz and Lisaというグループで自主制作盤も残していると、日本盤のライナーノートにある。オリジナル作ほどの冴えは期待できないが、“Oh Susanna”とか“Donguri/Rolling acorn”(どんぐりころころ)などのおなじみの曲は、微笑ましく聴けることでしょう。
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IDA, “will you find me” (2000)
はまってしまった・・。金沢のタワーレコードの試聴コーナーで耳にして、その場でにやつき(周囲には不気味に思われたことであろう)、その後躊躇せずにCDを手に取りレジへと向かった。これほどすんなり「これキープ」と思えるCDは久々で大感動。
で、何にはまったかと言えば、2曲目の“maybelle”なのである。高校生の時からのアイドルであるCrosby, Stills and Nashの一枚目に収録されているDavid Crosbyの曲”Guinnevere”の雰囲気そのままなのだ。アコースティック系のバンドからCSN(&Y)の雰囲気を感じることは、そう珍しいことではない。でも、David Crosbyっぽい感じを出せる人っていうのは、そうはいないと思うのだよね。もっとも、日本語のライナーノーツの中にある「彼らが影響を受けたアーティスト」って項には、Neil Youngが辛うじて登場しているが、Crosbyに関しては影も形もないのだけれど。
その他の特徴としては、デュオとしてスタートした名残なのだろうか、コーラスが大部分は二声で抑えられてて、分厚いコーラスで勝負したりはしないってことが挙げられる。この辺が、ついついSwan Diveと比べてしまいたくなる由縁なのだろう。6曲目の“shotgun”なんかが典型なのだが、薄い音の作りな割りにものすごく垢抜けた音。ちょっとしたバリエーションもあって、最初の曲の“down on your back”では基本的に二声で進行するが、さびになると実に効果的にもう一人かぶってくる。“triptych”はソロ曲かと思っていたら、やっぱりほんのちょっとだけコーラスが、ほとんど楽器によるバックアップみたいな感じでかかって来るしね。
かと思うと、5曲目の“The Radiator”は、コーラス一切なし。これがまたいいのだ。10曲目の“Georgia”なんかは、Lisa Loebっぽいソロボーカル。“encantada”もソロボーカルみたいだけど、この曲のアレンジは絶妙に70年代前半的な感じでかっこいい。アコギ・ピアノだけでバックアップをとって組み立てて、あとから非技巧的なエレキのフレーズがかぶってくるっていうパターンなのであるが。
といった感じでとにかく絶妙な一枚。是非聴かれんことをお勧めする。蛇足ながら、ここまで書いてようやく思い当たった。このギターのコードとかアルペジオの取り方って、サイモン・アンド・ガーファンクルっぽいんだ。やっぱり東の方の音なんだね。