Swing out sister, “The living return”(1994)

渋谷のレコファンで大量仕入れした一枚。ソウルっぽいかなという音もあれば、ファンクっぽいかなという音もあり、かと思うと70年代後半のフュージョンっぽい音があったりもする。“Mama didn’t raise no fool”“La la (means I love you)”“Stop and think it over”あたりが個人的にはお気に入り。“All in your mind”の(古典的な)フュージョンっぽい音もなかなかだ。

Swing out sister, “Where our love grows”(2004)

本国での人気もすっかり落ち、このアルバムは日本限定発売なのだそうだ。非常に寂しい感じもするし、グループの将来が気になったりする。それでも新星堂あたりの売り上げではトップ5に入るのだそうで、SOSは最近のカフェミュージックブームにも乗って、やはり日本人受けする音を作るグループであり続けているのだ。思えば、私の好きなSwan Diveあたりも、ほとんど日本以外では売れていないわけで、こうしたアルバムをしっかり出し続けてくれる日本のレーベルに感謝すべきなのだろう。

で、このアルバムなのだが、残念ながらインパクトに欠ける一枚となっている。詳細なレビューは、また後日。

Swing out sister, “better to travel”(1986)

Swing out sisterは、同じアルバムの中でも曲の好き嫌いは激しいし、どのアルバムにも気に入った曲はあるので、とても難しい。そんな中で、鮮烈な印象という観点からするならば、やはりこのデビュー盤を一番に挙げたい。

この当時は、electricな打ち込み系ニューウェーブと、その対極にあるゴツゴツしたロックンロールバンドが栄えていた。そこに、Swing out sisterが出て来た。ホーンを旨く採り入れたスウィングジャズっぽいアレンジがちょっと昔に戻った感じのゴージャスさを持っていて、上質のポップスがイギリスから出てきたな、という感じだった。

でも、そういった音自体の他に、私がのめりこんでしまった原因はプロモビデオだったなあ。一曲目の“breakdown”のビデオで、ちょっと大柄な、ショートボブのねーちゃんがとびきりのsmiling faceを見せていた。それがCorinne Dreweryだったんだな。イギリスに一夏滞在したこともある私だが、Britishの女性であれだけいい笑顔を見せる人に実際に会ったのは一度だけ、御用達の銀行の窓口のおねーちゃんの営業スマイルだけだ。

その他のおすすめとしては3曲目の“after hours”なんかだろうか。何とも不思議な世界なのだ。Swing Outのスローテンポの曲はいくつかいいのがあるんだけど、とにかく引き込まれてしまうんだよね、何故か。

Swing out sister, “Shapes and Patters” (1997)

ナチュラルな音に固執して作ったアルバムだそうで、どうり肌に合うと思ったのだ。“Somewhere in the world”“Here and Now”“We could make it happen”といい曲が続く。“Better make it better”もいい曲だし、“Something out of the world”,“Stoned soul picnic”“Always”と本当に外れの少ないアルバムだ。

そんな中でも一番印象深い曲は“Now You’re not Here”だろうね。常盤貴子と織田裕二が出てた「真昼の月」のタイトル曲だったのだが、この曲でしばらくさめていたSOS熱が復活したのだ。ちょうどアメリカにいた時期で、日本語恋しさに二週間遅れで日本から入ってくるビデオを家でむさぼるように見ていた。そんな情けなくも懐かしい頃を思い出してしまう曲なのだ。

Swing out sister, “Kaleidoscope World”(1989)

“better to travel”の成功を受けて、二年以上を経てから世に出た、じっくり作った秀作。確かにデビュー盤は鮮烈だったが、こっちのアルバムの方が音楽としての出来としては格段に優れているみたい。

1. “You on my mind”が、ヨーロッパ的な音の抜けの良さとでもいうんだろうか、心地よいポップスで、SOSの曲の中でもベスト3に入る大好きな曲。6. “Waiting Game”も同様にSOSの魅力満載といった曲。歌詞はそれほどおめでたくないけどね。

7. “Precious World”はCorrineの歌をじっくり聴くのに適したおとなしめのサウンド。佳曲

 

Swing out sister, “Somewhere deep in the night” (2001)

貫禄の一枚と言ったところだろうか。しょっぱなの“Through the sky”から、すっかりSwing outの世界に引きずり込まれてしまう。引き続く“Will we find love”もいい。

このアルバムでは私的にはベストの一曲は、“What kind of fool are you?”だろうか。メロウな感じがたまらない。“Where the hell did I go wrong?”も、似たような感じでいい。(曲名までどことなく似ているが)

さすがにデビューから15年も経つだけあり、初期の作品のようなポップス炸裂感はないけれど、大人の音になって、それでも魅力を失わないswing out sisterはやっぱりすごいぞ、と思わされる一枚。

Swing out sisterライブ@NHKホール (1990/02/25?)

日付はネット検索で出てきたもので、確実な記録が手元にあるわけではありません。

確かKaleidoscope WorldのツアーをNHKホールで見た。レパートリーが少なかったからか、インストの曲でCorrine Dreweryが踊っていた。やめて欲しかった….。やはりホーンをシンセなんかで置き換えられてしまうと雰囲気出ないし、ボーカルもライブではあまり良くなかったし、やはりSwing outはCDで聴くものだと思った。レパートリーが増えた今となっては、事情も違うのだろうけどね。