Rachael Yamagata東京公演@渋谷Quattro (2005.2.1)

またも当日券での入場。オールスタンディングはしんどいのだけれど、ステージとの近さはやはり捨てがたい。まだ一枚しかアルバムを出していないため1時間半にも満たないステージだったが十分堪能できた。一曲目に“Letter ahead”、二曲目に“Be be your love”と好きな曲が早々に出てしまったため、このあと一体どうなるんだ、とやや心配になってしまったが、十分収穫のあるステージだった。

アルバムからは、ピアノ弾き語りに本領を発揮する人だとの印象を持っていた。もちろんこれは間違っていないし、弾き語り曲は楽しめた。song writingがすごいのは、改めて痛感させられる。しかし、である。楽器から離れてマイクの前にしっかりと立ちシャウトする姿に、私は魅かれてしまうのだった。この人の声はハスキー系なのだけれど、Janis Joplinを彷彿とさせるシャウトが本当にすごい。そういうわけで、一番印象に残ったのは“Worn me down”。どうにも嫌いだったが、何故か気になった詩を専攻していた友達のことが題材だとMCで言っていたようだ。私の耳にはこんな風に聞こえた。「本当に可愛い人で、私はその子のことが嫌いで嫌いで、気づいたらこんな歌を書いていた」んだそうだ。

さて、Rachaelのキャラなのであるが、ステージ上でタバコをふかし、f-wordこそ使わないものの汚い言葉を連発し、それなりに不良しているのだが、なぜか可愛さを感じる人だ。今回うなずけなかったとすると、それはバンドの構成か。バイオリンとチェロが入ったいたが、どうも存在意義が感じられない。ギターはどうも役割を理解してるとは思えないプレー。ただし、ドラムとベースは良かった。ちなみに、ベースはRachaelの従兄弟なのだそうだ。

次作が当たれば、もうクアトロなんかでは見れないかもしれない。でも、次の来日が今から楽しみになってしまうライブだったのは間違いない。

Rachael Yamagata, “Happenstance” (2004)

Tower RecordsでもHMVでも平積みされている。ピアノの弾き語りということで、Norah Jonesとの類似性を打ち出したような案内文を店頭で見かけたが、Jazzのバックグラウンドは殆ど感じらない。かと言ってVanessa Carltonのようなクラシックの基礎がある感じでもなく、やはりロック系の人という認識で聴くのがいいんじゃないかと思う。今年屈指のスマッシュヒットであると私は思うし、新人ではピカイチではなかろうか。

“Be be your love”の、ゆるゆる感がたまらない。ハスキーな声質とのマッチングで、けだるさがしっかり出ていてはまる。“Letter ahead”のピアノの不協和音の気持ち悪さもいいね。でも、さびではすっきり抜けのいい音に解消されるところがさらに良し。この曲で使われているピアノはちょっとチューニングがずれている?“Paper doll”は、バックのアコースティックギターのオープンチューニングに、にんまり。CSN&Yの、”Judy blue eyes”がちょっと思い出されてしまうのだ。