大貫妙子、”note” (2002)

2012/08/05 新杉田TSUTAYA

鬼才大貫妙子さんの2002年のアルバムを今頃になって聞いています。この時期の大貫さんは、山弦の二人と一緒に仕事をしているのですよね。山弦とは、(最近は松たか子の旦那としてむしろ知られているかもしれない)佐橋佳幸さんと、小倉博和さんのアコースティックギターデュオ。これに平松八千代さんを加えたSOYは、ワタシ的には大好物です。

1.「あなたを思うと」、2.「緑の道」、3.「ともだち」、8.“Snow”あたりの山弦コラボ作品が秀逸。山弦としてはちょっと抑えた、しかしツボを抑えたプレイで大貫さんの魅力を引き出しています。

一方で4.“Wonderland”なんかは、シュガーベイブの流れそのままのポップス、6.“Le Musique”あたりは、これも初期のトレードマークだったヨーロッパっぽい音造り、9.「星の奇跡」は、”pure acoustic”の頃の音造り。このとき大貫さんは多分48歳、新しいものを次々繰り出すという作品ではありません。しかし、自分の魅力を引き出してくれる山弦のようなアーティストとのコラボを取り入れつつも、自分がかつて作ってきた音でしっかりとアルバムをまとめるような安定感が際立つ心憎い作品。外れのない佳曲揃いです。

大貫妙子、”History 1978-1984″ (1999)

アルバム単位でフォローしてないので、企画ものアルバムを紹介する。真面目なファンの方、ごめんなさい。

「黒のクレール」は、「やっぱり大貫妙子は鬼才だなあ」と思ってしまう曲。「愛の行方うらなうとき・・・」のあたりのフレーズを聞くと、他の日本の女性ミュージシャンを寄せ付けない高い音楽性に圧倒される。

一方で、「海と少年」のようなポップスの王道を行く曲をかけてしまうところがすごい。この曲は、アレンジ・キーボードに坂本龍一、ギターに鈴木茂、ドラムに高橋ユキヒロ、ベースに細野春臣と、すごい顔ぶれだ。

ところで、わたしの一番のお気に入りは、大貫妙子っぽくない「ピーターラビットとわたし」だ。坂本龍一のアレンジがやっぱりすごいのだ。あと、「横顔」もとても好きな曲。しばらく前に、NHK-BSの京都を紹介する番組の主題歌として使われていたし、EPOもカバーしていた。「愛の行方」「幻惑」「夏に恋する女たち」「最後の日付」も、名曲だと思う。

うーん、やっぱりすごい・・・。勉強しなおして、隠れ名曲発掘せねば。