Lovesじゃなくて、Livesとなっているのがポイント。81年の”dad loves his work”ツアーでのアトランタ公演をCD化した、よく分からない一枚。イタリアの怪しいレーベルから出ているのだが、住所など連絡先までしっかり入っている。やっぱりブートとして扱うべきなのだろうか?Dan Dugmore, Waddy Wachtel, Leland Sklar, Rick Mrotta, Don Grolnickと、いつも通りのすごい面子が揃っている。
CSNとしてのデビュー盤。確か、”4way street”を先に聴いてから、こちらを後から聴いた。かなりの曲は事前に知っていたわけだが、LPに針を落とした瞬間から、スタジオ録音での1. “Suite: Judy Blue Eyes”のDADDADの変則チューニングと、圧巻の三度コーラスのにいきなり打ちのめされた。4. “You Don’t Have To Cry”, 8.“Helplessly hoping”もいい曲だね。
これがデビュー盤で、もっとも有名な一枚でしょう。“A horse with no name”(邦題「名前のない馬」)は最大のヒットだが、曲自体は大して面白いものでもなく、そのギタープレイのみに興味がいってしまう。「砂漠を馬で行く」というイメージが、サハラ砂漠のような砂漠しか思いつかない当時の私にはどうにもイメージできなかったが、アリゾナに住んでみて、「ああこういうことなのか」と思った。西部劇の世界を連想するのが正しかったということだ。
“riverside”とか“Three Roses”はアコースティックギターのカッティングが心地よい曲。こういう世界はAmericaが開いた世界じゃないかなあ。あと、“I need you”は、歌詞がどうにも甘ちゃんではあるが、いい曲じゃないかと私は思う。“Children”などは、CSN&Yの”Teach your children”を後追いする世界で笑えるね。
なんと言っても、しょっぱなの“Ventura Highway”の、ギターのイントロが強烈。いかにも70年代カリフォルニアサウンドという感じで、涙ものだ。このイントロは、何年か前にJanet Jacksonが”Someone To Call My Lover”でイントロだけをぱくっていたので、原曲を知らずとも耳覚えがある人が多いことと思う。
“To each his own”と“Only in your heart”もピアノのイントロが印象的な曲。“Don’t cross river”はDan Peekの曲だけど、曲の作りといい、声質といい、まさにNeil Youngなのだ。その他には、“California revisited”あたりがおすすめ。生ギターを弾く人には一度は聞いてもらいたいアルバムだ。
このアルバムで特筆すべきは7.“Fire and rain”でしょう。後に彼は”That’s why I’m here”(1985)の中で、
“Oh, fortune and fame’s such a curious game
Perfect strangers can call you by name
Pay good money to hear fire and rain
Again and again and again”
と歌うのですが、複雑な思いを持ちながらも自己の代表作だと認識しているのですね。その歌詞については諸説あるらしいのですが、下の記事が一番理解の助けになったかな。
Silje Nergaardの新作。彼女がデビューして20年、何度か消えかかったのにしっかりジャズシンガーとして再生し、今でも歌声が聴けるというのは、本当に嬉しいことです。Sony系になってから、国内のiTune Music Storeから購入出来ないのが痛い。割高なヨーロッパ盤を、アマゾン経由で仕入れました。
1.“All I had”, 4. “The moon’s a harsh mistress”, 8. “When Our Tune Is Played”あたりは、フォークっぽさを残すポップス。一方で、3.“God’s mistakes”あたりは、がっつりジャズです。9. “I Will Write You Every Day”, 10. “Human”は、とてもきれいなバラード、必聴です。
さてアコギ弾きの方々は、下のYouTube動画も必見です。アルバムには収録されていない、Michael Jacksonの”Black and white”のカバーなのですが、アコギがとにかく面白い。見てしばらく、にやにやが止まらなかった逸品です。
4. “Southern man”と7. “Don’t let it bring you down”は、翌年に出たCSN&Yのライブアルバム”4-way street”に収録。
3.?“Only love can break your heart”はカントリーっぽいワルツで、後年のEaglesの”Hollywood Waltz”なんかに繋がっていく世界。1.?“Tell me why”, ?2. “After the gold rush”,, 8. “Birds”あたりも好きな曲です。
さて、この作品、なかなか素晴らしいのです。1. “Looking Forward To”と4. “Bitter or Sweet”の二曲が特にお勧め、ワタシのiTunesでのratingは五つ星です。その他、11. “West End Lane”, Michael John McDermattがボーカルを取っている10. “Only Maybe”も素晴らしい。
さて、このSneakerは、80年代初頭に2枚だけのアルバムを残した西海岸のAORバンド。スタジオミュージシャンたちが組んだバンドという意味では、TOTOあたりと共通しているでしょうか。この”Loose in the world”は、彼らの二枚目。プロデュースはDoobie Bros.のJeff Baxter。一枚目からは、”More than just two of us”という大ヒット曲が出ていますが、このアルバムはそれほどの商業的な成功は収めませんでした。しかし、これが良い曲揃いなのです。ワタシがこのアルバムにはまったのは、たしか数年後の85,6年あたりだったと思いますが、それこそテープがすり切れるほど聴いたものです。もう20年もこのアルバムを聴いてないはずなのですが、どの曲もはっきりくっきり記憶している。こんな一枚がダウンロード購入出来てしまいようになったことに、ひたすら感動なのです。
1. “Believe Me Tonight”は、いかにも西海岸な快活な一曲。アナログシンセのぎらぎらした音の使い方がこの時代らしいですね。2. “Quit Crying”のアコギのフュージョンっぽいソロは好きだったなあ。いかにもオベーションの音なんですよね。5.“Never Get Over You”も、いいピアノバラード。 “More than just two of us”の二匹目のどじょうを狙ったっぽいところはあります。
6. “Where You Gonna Run”のリズムの刻みはレゲエっぽいですね。こういうところから、このアルバムと夏という季節が、頭の中で結びついてしまうのです。10.“Nothing from you”もいい曲。ギターのアルペジオが単純なんだけど非常に印象深いAメロから、いかにも西海岸なサビに流れ込む作りが秀逸。アルバムを締める11. “I can’t imagine”も、いいバラードです。
“Yolanda, You Learn”, “The First Circle”, “If I Could”が続く辺りは圧巻。80年代半ばにライブに通ったワタシ的には非常にはまります。”The First Circle”のスチール弦と、”If I could”のガッド弦のコントラストが何とも言えないのです。
尖ったところは無く,無難に良い曲が並ぶ。コンテンポラリーなソングライターで、そのあたりはCarole Kingに通じるだろうか?通常のTop 100チャートに入るような曲は無かったが、アダルトコンテンポラリーチャートでは、3. “I Keep Coming Back To You”, 4. “Walk My Way”, 5, “All I Have”が10位台を記録している。
他に当時好んで聴いたのは、9. “Avalanche”, 12.“Years”あたり。6. ”Take It As It Comes”の最初のキーボードの使い方も、Joni Mitchellの80年代の作品そっくり。時代の音だったんですねえ。
2.“Love is a sweet harmony”や4. “Passion”は好きだなあ。洋楽を消化しきった人じゃないと、絶対に書けない曲だ。3. 「何がしたいの?」は、「見失い感」とでも書いておきましょうか、壮絶な曲だ。ぐさっと来る一曲。1. 「愛の名前」、5. 「契約 (スペルバインド)」、8.「忘却」もいい曲です。10. “Blondie”も、すさまじさを感じる曲。11. 「道」は、ピアノのイントロがもろにCarole Kingの”So far away”ですな。一方、6.「ラジオのように」の再演・再収録は、ちょっと意味がわからない。確かにこのテイクの方が僕としては好きなのだけれども、あえてオリジナル盤に再収録するほどの出色でもないかな、というのが個人的な感想。
タイトル曲、1. “Walking man”は、ビルボードチャートにさえ入らなかった曲らしいですが、とてもいい曲です。3. “Let It All Fall Down”, 5. “Daddy’s Baby”, 6. “Ain’t No Song”, 7. “Hello, Old Friend”, 10. “Fading Away”も佳曲。
5. “The one you love” (放題:「恋人」)だけを聴きたかった。本当は、この曲が収録されたオリジナル盤[“No fun around” (1982)]を探していたのだけれど、なかなか遭遇しない。そこでTSUTAYAで借りたのが、このベスト盤。他のベスト盤ではライブバージョンが収録されていたりするので要注意。
二枚の名盤中の名盤”Blue”と”Court and Spark”に挟まれ、やや影が薄くなりがちな一枚だが、これも素晴らしいアルバム。ライナーノートには、Joniのヌード(背中側からですけどね)が入っているというのも話題になった一枚。
イチオシなのは、9. “You Turn Me On, I’m A Radio”。Joniの曲の中では最も好きな曲のうちの一つ。ハーモニカはGraham Nash。ギターが本当に格好よい。カントリーっぽい曲調・題材でありながら、コーラスワークの洗練されていること、こういうミスマッチが面白いのだ。6. ””For the roses”、11. “Woman and heart and mind”も大好き。やっぱり、Stephen Stillsっぽいギターが面白いのだ。8. “Electricity”のギターのアレンジは、70年代後半とか80年代前半に流行ったような感じのもので、時代を一歩先取りしてた感じでしょうか。1.“Banquet”, 4. “Lesson In Survival”, 7. “See You Sometime”, 12. “Judgement Of The Moon And Stars (Ludwig’s Tune)”といったピアノ弾き語り曲もいいのです。
3. “Barangrill”は、”Court and Spark”以降ではよく聴かれた曲調。今から思えば、これが予告編だったのか?といったところでしょうか。
名盤との評価が定着している一枚(一例:Rolling Stone誌の500 Greatest Albums of All Time、111位)。フュージョンがクロスオーバーと呼ばれていた頃に、Larry Carltonを筆頭とするその手のミュージシャンも数多く参加して作られたアルバム。かと思うと、ロックンロールっぽい曲、従来のアルバムを踏襲した路線の曲も入っていて、渾然一体となっている。その意味でフォークの延長に留まっていたそれ以前の作品と一線を画す作品なのだが、いろんなスタイルを取り込みながらも、決して呑まれる事無くあくまでも Joniらしい曲の作りを保っているところがすごい。現在のJoniのスタイルを理解するうえでは重要なアルバム。
2. “Help Me”, 3. “Free Man In Paris”は言うまでもなく名曲。CarltonのギターもJoe Sampleのキーボードもすさまじい。”Free man in Paris”のバックアップボーカルはCrosby and Nashだ。8. “Raised On Robbery”も、その自由なスタイルが大好きな曲。一方で、1. “Court And Spark”, 4. “People’s Parties”, 5. “Same Situation”のように、本人のギター・ピアノ弾き語りが軸になる従来の作りの曲もさえている。
しょっぱなの“Walking in my sleep”から、がつんとやられる。“This & that”, “Hold on”のドライブ感も堪らない。“couching”での、ビブラフォーンが絡んでくるアレンジなどは、いかにもSwedishで、お洒落っぽさを出しているのだけれど、ここまでの完成度は他のバンドには出せていないんじゃないかな。“Twice as cool”, “By your side”とか、本当にかっこよい。その一方で、“Someday soon”のような、静かな曲もいいしね。
1. “God of Sun”の音の枯れ方がなんと言っても素晴らしい。単調なリズムを刻み続けるピアノと、G.Beckleyのリードボーカル、いかにもアメリカなコーラスワークと文句ないのです。4. “Political Poachers”も好きな曲だ。5. “Sarah”は、Beckleyっぽい甘ったるい曲だけど、いいんだよね。9.“These Brown Eyes”はPeekの曲でなんだか記憶に残ってる。
イギリスのニューウェーブ勢がチャートを席巻した1982年に、ソリッドなアメリカンロックで売れたたのがJohn Cougarだった(その後、John Cougar Mellencamp, John Mellencampと名義は何度か変わる)。何枚かパッとしないアルバムを出したあとのブレークスルーだったようだ。
1. “Hurts So Good”はビルボードの最高位が2位らしい。今聞くと非常にいいなあ。2. “Jack and Diane”は、ビルボードで 1位まで上り詰めた曲。イントロが、もろに80年代前半のアメリカンロックっぽくていいよねえ。この曲のアコースティックギターの使い方が、ものすごく好きだった。wikipediaによると、本人あんまりこのアレンジは好きではないようだけど。5.“Can You Take It”、 8. “Close Enough”あたりも好きだった。TSUTAYAで借りて20年ぶり以上に聴いたわけだけど、結構このアルバムの曲は(シングル的には売れなかったものまで含めて)覚えてるもんだな。
Jackson Browneの二枚目にして、初期の最高傑作。本作に加わったDavid Lindleyは、以降JBの作品に欠かせないキーパーソンとなる。アルバムは、The Eaglesのヒットとして知られる1.“Take it easy”から始まる。ドラムが16ビートを刻んでいるところ、David Lindleyのスライドギターが効果的に使われているところが、がイーグルスバージョンとの大きな違いか。4. “I though I was a child”もSSWとしての本領を発揮した名曲。5. “These days”はJBの曲の中でも最も好きな曲の一つ。最初に触れたのは、New Grass Revivalによるカバーバージョンでしたが。6. “Redneck friend”はあまり好きな曲ではないが、キーボードがElton Johnだってのが特記事項。9. “Sing my songs to me”も佳曲。タイトル曲でもある10. “For everyman”は、David Crosbyへのメッセージとして書かれた曲。everymanは「どこにでもいる当たり前の人」と訳すらしい。「この場に踏み止まり生きていく」ことを、内向きな表現ながら、強い社会的メッセージを発した曲だそうだ。
1. “The beginner”はStonesのカバーなのだそうだけど、オリジナルを知らず。でも、アレンジはサイケですねえ。2. “The Long Goodbye”は一番日本で売れた曲らしい。60年代後半のロックの色と、彼女自身がFavoriteとして挙げるChrissie Hynde (The Pretenders)の匂いがプンプンとする一曲で、私的にも一番のお気に入り。4. “Right now”, 7. “Last Solstice Of The 70’s”, 9. “Beauty Queen”, 13. “When We Go Walkin'”あたりも、いいですねえ。
全米No.1ヒットを3曲生み出した三人組のデビュー盤。売れたわりには、長く保有する気にもならないというアルバムだからか、『中古屋のベストセラー』状態。ブックオフで105円で出ていたところを購入したもの。デビュー直後は、親がThe Mamas & the PapasやThe Beach boysのメンバーであるという二世グループとしての顔が前面に出されたプロモーションだったと記憶している。
で、聴いてみると、非常に懐かしい音だ。教科書的な三度コーラスと、いかにもこの時代の売れ筋の音の作り方が成功の源か?ビルボードNo.1の“Hold On”, “Release Me”, “You’re In Love”あたりは、売れなきゃ不思議、という音。でも、チャート的には12位止まりだった “The Dream Is Still Alive”の記憶がはっきりしているのは何故だろう。このメロディーは好きだなあ。
Steve Morse Bandのアルバムの中で、最も好きな一枚。それを決定付けるのは、“The Oz”。ロックインストというよりはフュージョンっぽい曲で、速弾きではなく、むしろコードワークで勝負の一曲。単純なんだけどすごくすごく格好いいギターインストで、個人的には忘れ難い。2:10くらいのところのブリッジというか、Cメロというかも格好いいんだよなあ。
同じ姿の髪の薄いサングラス姿の男がずらりと並ぶPVが印象的だったのは、Phil Collinsがカバーした“You Can’t Hurry Love”(放題:「恋はあせらず」)だったが、やっぱり原曲が素晴らしいのだね。“Stop! In The Name Of Love”とか、“You Keep Me Hangin’ On”あたりも、元々非常になじみがあり。渡辺美里が初期のライブでカバーをやってましたな。
“Where Did Our Love Go”, “Baby Love”, “Back In My Arms Again”, “Someday We’ll Be Together”あたりの全米no.1になった曲は、やっぱりさすがの出来ですねえ。
それでも、“Goodbye, my friend”、「両手いっぱい」、“my love, my love”あたりのアルバム後半の曲は好きだ。ギターが小倉・佐橋の山弦コンビなんだよね。懐かしのCorey Hartと共演している“Original Aim”も面白いな。小泉今日子(作詞も小泉今日子)が歌ってヒットした「優しい雨」は、ギター一本がバックなんだけれど、ちょっとテンポが遅すぎかなあ。
1. “Got it clear”, 4. “With Or Without You”, 5. “Anything You Want”あたりがお勧め。6.“If You’re In Love”は、Stevie Wonderあたりを想起させられるメロディーの運び、かつ次作”Mood”の中の”Forever”にも似てますかね。
The Indigoの7枚目。市川さんのある種豊富すぎるアレンジのバリエーションが、逆に器用貧乏っぽい印象を最近数枚は受けていたのだが、本作はデビュー盤に近いアコースティックロック/ポップス路線で、僕的には非常に好きな音になっているのだ。特に、2. “waiting for you”, 4.“I’m busy”, 8. 「あの雲をつかまえて」あたりは、音的には好き。11. “Just the way you are”はBilly Joelの名曲と同タイトルだが、カバーではなくオリジナル。しかし、音が好きなわりにはのめりこめないのは、歌詞の問題だろうか。特に英詞の部分は曲から浮いてしまってますね。
しかし、正直この作品はしんどい。トラッド志向が強くなって、ポップス色は非常に薄くなってしまった。”Echoes”の時代の音が好きだった私としては、ちょいと受け入れがたい。2. “Who Knows Where the Time Goes?”, 4.“Star”, 8.Heartsongあたりは、まあ聞けます、っていう程度でしょうか。
1997年にRebekah名義で“Remember to Breathe”を発表。このアルバムには現在でも中古屋で遭遇する確率が高いので、当時日本でもそれなりに受け入れいられたのだと思う。二作目の発売がなく消息がわからなくなっていたのだが、たまたま公式サイトを発見して最近の動向を知った。女優業にむしろ忙しかったようだが、2005年に6 songs EPとして出した久々のミニアルバムは、日本でもiTune storeで購入できる。
で、本作品なのだが、非常に良い。前作のように、アコースティックな曲〜オルタネ爆発な曲まで混在という感じではなく、ちょうど私の好きなアコースティックな路線あたりで落ち着いてまとまっている。blackっぽさを感じさせないblackな音は、相変わらず健在。2. “Dreams”がStevie Nicksのカバーである以外はオリジナル。特に好きなのが、4.“The Art of Losing”。メロディーの運びも、ギターのコード感覚も、とてもいい。3.“Happy”も、面白いなあ。5.“Bliss”もきれいな曲。外れがないアルバムと思えるのは、6曲に絞っているからか?大手レーベルに属さずとも、CDという媒体の物理的な容量にとらわれずとも、ダウンロード販売みたいな発表の仕方が出来るようになったってのは、マスプロ的ではない良質な作品が出てくることを確実に助けている、ということが実感できる作品だ。
2.“Long Train Runnin'”、ひたすらギターが格好いいねえ。3.“China Grove”も言わずと知れた名曲だ。5.“Clear As The Driven Snow”みたいな、いかにも西海岸って音もいいなあ。こういう曲があることを知っていれば、見方はすっかり変わっていたはずなのだ。タイトル曲である10. “The Captain And Me”のコーラスワークも、教科書的な三度コーラスながらすごいなあ。Eaglesが「コーラスではDoobieに絶対勝てない」と思っていたというのが納得できる。
最初に買った鈴木祥子さんのアルバムが、この”Candy Apple Road”と、「あたらしい愛の詩」 (1999)の二枚だった。もう20年を越えるキャリアの中で見れば、初期のJ-pop女性シンガー路線から、自身の洋楽体験を反映したロック色の強い路線へシフトした時期の作品群。初期ファンの期待を裏切る作品への反響に、自分自身がかなり戸惑ったことを、2009年のライブに先立ったインタビューで語っている。
本作は、80年代洋楽へのオマージュみたいなキャッチコピーがついていたと思うのだけれど、なるほどそれらしい仕上がりだ。1. 「この愛を」を書いたときに彼女の頭にあったのはBruce Hornsbyの”The way it is”だったに違いない。“二人はとても似ていたので恋することは簡単でした”から始まる歌詞も絶妙で、実らなかった若き日の自分の恋を思い出すのだった。
もう一曲佳曲を挙げておくと5. 「愛は甘くない」だろう。メロディーの運びも佐橋氏のギターも自然で心地よく、なにより文体を変えて“愛は甘くないんである”と歌詞を締め括るセンスが大好き。必聴。
Norah Jonesの三作目。売れているようだが、どうにも私にとってはつまらない作品。なぜそう感じてしまうかと言えば、アメリカンルーツミュージックに寄り過ぎて、ジャズっぽさが薄れたのが原因じゃないかと思う。“Thinking about you”はいい曲だと思うが、オリジナルだというのに、どうも誰かの(The Bandあたりかな?)カバーのような気がしてしまうのだよね。
1. “Separate Ways (Worlds Apart)”が売れていました。ディスコでこの曲ががかかっていた記憶があるんだけれど、あれは札幌だったのか?東京だったのか?5. “Faithfully”(邦題:「時への誓い」)は、いいロックバラード。ロードムービーっぽいビデオクリップだったのが思い出される。2. “Send Her My Love”も耳にこびりついてる感じなんだよなあ。ハードロック趣味ではなかった僕の記憶にさえ残るのだから、やはり名盤なのでしょう。
イーグルスがハード路線へと舵を切り出した作品。でも結構好きで、大学時代に良く聴いていた(もちろんリアルタイムではない)。タイトル曲である1. “One Of These Nights”のコーラスにはやられました。3. “Hollywood Waltz”のペダルスチールにも、はまったものだ。4. “Lyin Eyes”なんて、ウエストコーストサウンドの教科書的な乾いた音だ。5. “Take It To The Limit”は代表的なヒット曲。8. “After The Thrill Is Gone”とか9. “I Wish You Peace”も好きだったなあ。この手の音の話で盛り上がった、一緒にバンドをやっていた友の顔を思い出す。彼が亡くなってもう10年以上が経つんだな。
最初の解散の際に残した一枚。初期イーグルスファンの私としては、どっぷりひたる部分の少ないアルバムではあります。その中でも記憶に残るのは、やはりTimothy B. Schmitの 2. “I Can’t Tell You Why”。昔から好きな曲だ。3. “In The City”のさびの部分のコード進行も好きだったなあ。10. “The Sad Cafe”もアルバムを締めるにふさわしい佳曲。
The Eaglesと共に70年代後半のウエストコーストシーンの双璧をなしたグループ。これは後期作品で、Steely Dan流れのMicheal McDonald色の強いアルバムだ。2. “What A Fool Believes”が傑出した名曲。このコーラスワークは、本当にすごい。タイトル曲である3. “Minute By Minute”もやはりすごい。10, “How Do The Fools Survive?”もいいねえ。音が初期Doobieほど単純ではなく、ちょっと難しいところはあるかもしれないが、AORの名盤と捉えておけばよいでしょうか。
久々に引っ張り出して聴いてみると、なかなかすごい人です。優れた女性SSWを輩出しているカナダの出身で、これがデビューアルバム。1. “God Made Me”を聴くと、「オルタネだねえ。ぶちぎれ加減が足りないAlanisかねえ」とか思うのだが、一転してきれいな音の運びの2. “Surrounded”なんかが続いたりすると、「こいつ、すごいかもしれん」と思わされるのだ。3. “Don’t Be Good”あたりにはLisa Loebっぽい自由さを感じてみたり。6.“Imaginary Friend”, 10.“Actions Without Love”もいいバラードだ。こうやって聴きなおしてみると、(Joni MitchellとかRickie Lee Jonesほどではないにしろ)音楽性の幅広さに驚きの一枚。二作目以降をなぜフォローしていなかったのかとひたすら後悔、私的CD want listの筆頭に一気に躍り出ました。
私のギターアイドルClarence Whiteなどの加入で大きくカントリーロック路線へ舵を切ったThe Byrdsの後期作品の一つ。1. “Glory, Glory”は、やはり名曲なんじゃないでしょうか。もう一つ言及しておきたいのが、Jackson Browneのデビュー盤にも収録されていた“Jamaica say you will”。JB版でのClarenceのギターには本当に泣けるが、このThe Byrds版もなかなかのものだ。JBファンに取っても聴く価値のある一曲。
それぞれの人が、それぞれの曲に対していろんな思い入れを持っていることと思う。私は、1. “Yesterday Once More”, .2. “Superstar”, 3. “Rainy Days And Mondays”, 14. “(They Long To Be) Close To You”, 19. “Sing”あたりが、ポップス史を語る上で忘れることの出来ない不朽の名曲だと思う。決して「面白い」と思うような曲ではないのに、「でもやっぱりいい曲」と認めざるを得ないところが、カーペンターズがカーペンターズたる由縁で、長い間人々の心をひきつけている原因なのだと改めて思う。
タイトル曲の2. “The Stranger”はよく知られているが、何と言ってもこの一枚を代表する一曲は3. “Just The Way You Are”だろう。私のiTuneでのratingは文句なしの五つ星。ロックバラードを語る上で、歴史上欠かせない一曲であると断言できる。4. “Scenes From An Italian Restaurant”も佳曲。
西海岸系のアーティストによる反原発コンサート。下に示すようなメンツなので、聞かないわけにはいかないアルバム。これは映画にもなって、東京に出たての頃だったろうか、レーザーディスクを上映する渋谷の飲み屋までわざわざ見に行った記憶がある。しかし、選曲のせいだろうか、メンツの割には正直面白くないアルバムだと今になると思う。しいてお勧めするのは The Doobie Brothers with John Hall & James TaylorというメンツでのJohn Hallの名曲、5. “Power”だ。
Woodstock, Bangladesh concert, No Nukes, Live Aid…….ロックで時代が変わると信じてられていた熱気も今は昔。
勉強しようと思いつつ全く追いついていかないボサノバ。そんな私にも、この一枚は一味違うとわかる。バックアップミュージシャンのテクニックによるところが大きいのだと思うが、「すごい音を聞かされている」って思いに囚われるのだ。3. “Tardes Cariocas”, 4. “Ninho De Vespa”あたりが特に強烈で印象に残る。かと思うと、4. “Bewitched [Encantada]”や、11. “Saudade Fez Um Samba”は、肩の力が抜けたいい曲。夏の昼下がり向きだ。
AORの名盤中の名盤と言われる一枚で、私ごときが多くを語らない方が良さそう。とにかく音作りの緻密さは完璧だ。1. “Stranded”, 2. “Cryin’ All Night”と、ゾクゾクする音の作り。5. “Should We Carry On”のようなバラードも完璧なのだ。一番好きな曲は、9. “She Waits For Me”かな。
なんといっても、2. “Eye In The Sky”が名曲。“I am the eye in the sky looking at you, I can read your mind”なのだ。5. “Silence And I”はセイコーかどこかのCMで使われていたような気がする。10. “Old And Wise”も印象深い曲だ。
5作目。ジャケットは飛行機の窓、タイトルと相まって面白い。いつのまにか、ギターサウンドへ回帰している。2. “Thinking About You”, 4. “Tess Don’t Tell”, 6. “Corners Of Your Mind”あたりのギターサウンドの疾走感と、へなへなしたボーカルのアンバランス感はThe Cardigansを彷彿させて面白い。一方で、9. “Ocean City Girl”, 10. “Feel So Free”あたりのスローな曲も結構良いのです。
3年のブランクを経ての三作目。アレンジが”ApartmentLife”のあたりとは少し変わり、ギターは奥に引っ込んだ。ある種Swing out sisterっぽくなったかも。おしゃれ系ポップスですかね。邦楽で言えば、The Indigoのような音といえばいいだろうか。アメリカでの発売は2001年で、日本では2000年に先行発売されたようだ。
気になる曲は、3. “Edge Of The Ocean”, 6. “Lucy Doesn’t Love You”, 9.“Midnight Sun”のあたり。4. “Blame It On Yourself”, 13. “Digging Your Scene”あたりの、前作っぽいギターサウンドも良い。
1. “The Best Thing”とか、4. “I Get The Message”あたりはThe Cardigansあたりのスカンジナビアン・ポップロックと共通の匂いがする私好みの音。9. “Get Out Of The City”あたりの疾走感は、(ボーカルの線はJennie Medinと比べると圧倒的に細いけれど)むしろCloudberry Jamっぽいかな。
言うまでもなくスーパースター揃いのバンドだが、Christine McVieとStevie Nicksの二人の名女性ボーカリストを抱えていた。(何度も書いているが)1982年というのは私にとっての洋楽元年であり、”Best Hit USA”で盛んに見たこのアルバムからのヒット曲のビデオクリップは忘れがたいものがある。
私が好きだったのは、実は女性ボーカリストものではない9. “Hold Me”だ。このピアノのイントロと、さびのコーラスは何とも言えないなあ。大ヒットとなったのは、Stevie Nicksがリードを取った5. “Gypsy”。でも、今となっていいなあと思えるのは、Christine McVieがリードを取った6. “Only Over You”だったりする。
これも良いアルバム、大人の音です。1. “I Thought It Was You”, 2. “Patches Of Happiness”, 3. “Swept”, 4. “Rainbow Heart”とアルバムの前半は外れなしの隙のない出来。 8. “As She Whispers”あたりは個人的には好きな曲調ではないけれど、すごいということはわかる。10. “Tied”で、ずっしり重いバラードを歌い上げて静かにアルバムの幕を引いていくのです。