iTunes Matchと格闘する

5/2にAppleからiTunes Matchの日本での提供が始まるとのアナウンス。巷では、ライブラリをクラウドにアップしてしまえば、手元のストレージは小さくすむので万々歳という評価なのでしょうが、iPhone5S 64GBでライブラリをそっくり持ち歩いているワタシとしてはあまり旨味を感じません。何の旨味があるのだろうかと調べてみると、低ビットレートのファイルを、iTunes Music Storeが取り扱っているものであれば、256kbpsグレードに置き換えてくれるとのこと。ワタシのライブラリってほとんど自分のCDからリッピングした128kbpsグレードしたファイルだったのですが、これをやり直すとなると大変、早速このサービスを使ってみることにしました。

しかし、これが間違いでした。このサービスは、1) 自分のライブラリの情報をアップルのサーバーに送る。2) ユーザー側にあるファイルとiTunes Music Storeで扱っているファイルがマッチするか(同波形と見なせるか)を判断して、一致するものはiTMSのサーバーから使用可能にする(ストリーミングも、ダウンロードも可)、一致しないものについては自分のファイルをiCloudにアップロードする。という概要のものです。

しかし、サーバー混雑のせいでしょうか、なかなかマッチングが終わらない。4-5日かかって連休がつぶれたという人も多く出たようです。しかし、どうやら深刻な問題は別のところにあったようです。ワタシのところでは、9000曲超のライブラリのうち、およそ1000曲が「待機中」、つまり判定出来ない状況で連休が終わってしまいました。判定不能であっても、自分が必要なファイルをiCloudにアップ出来ればまだ救いがあるのですが、判定出来ないものは上げさせてもらえません。アップルのディスカッション・フォーラム
iTunes match日本版を始めたところステップ2のマッチングで止まってしまった。
を見ると、このような状況になった人々は多数いたようです。ここの情報にはずいぶん助けられました。これらの曲をライブラリから外すとマッチングが完了するので、これらのファイルの中の何かに問題があったのは確かなのですが、うまく切り分けが出来ませんでした。

この問題は実はあっさり解決したのです。やはりアップルのディスカッション・フォーラムなのですが、英語版
30% of songs in Status “Waiting” iTunes Match problem
に良い情報がありました。向こうでは2年前からサービス始まっていたので、解決策もひと通り揃っていたのですね。問題は一部混じっていたMP3ファイルにあったようです。これらをAAC形式に変換しただけで、「待機中」の曲は無くなり全曲のマッチングを完了して、サービスが使えるようになりました。

本来のクラウドの使い方であれば手元にファイルを残す必要すらありません。しかし、iPhoneを完全にクラウド環境にぶら下げて使うのは非実用的だと判断しました。iPhoneをiTunes Matchに参加させると、Macと同期を取るということは出来なくなり、中の曲は一旦全部消えて、すべてiCloudに取りに行くようになります。ワタシの環境では、iPhoneへの楽曲のダウンロードが笑っちゃうほど遅くて、まったく使い物になりませんでした。ワタシの場合、iPhoneではローカルな環境を作るのが良いのです。結局、Macbook AirのみをiTunes Matchに参加させて、クラウド連携で256kbpsファイルをダウンロードして、Macbook Air上にローカル環境を作りました。iPhoneは、そのMacbook Airを母艦として、昔ながらの同期を取ることにしました。結局、ワタシにとってのiTunes Matchというのは、ちょっと高品質なローカル環境を作るための手段ってことになってしまいました。

しかし、そこでもさらに問題が。。。今までライブラリをすべて持ち歩けていたのは、ビットレートを128kbpsに抑えていたからこそで、かなりの部分が256kbpsに置き換わってしまうと入りきらないのです。困ったことに192kbpsにしても、全曲は収まりません。なので数百曲を同期から外して、残りを192kbpsにして押し込めることにしました。これが完成したのがようやく今日です。ここまで10日かかりました。

結論です。「始まりたてのサービスに飛びつくものではありません。」