Silje Nergaard, “Tell me where you’re going” (1990)

“Silje Nergaard”で検索していたら、しまおーさんのサイトにて、素晴らしい動画を見てしまいました。Siljeのデビュー盤”Tell me where you’re going”を、最近のジャズ・アレンジで再演したものです。オリジナルの2バージョンも併せてシェアします。比べてみると面白いですね。

デビュー盤には”Tell me where you’re going”が2バージョン入っていて、こちらがシングルになった方のバージョンです。

こちらはシングル化されなかった方のバックがPat Methenyのバージョン。これが涙ものに素晴らしい。

オリジナル版(fearuting Pat Metheny版でない)のPVに、Pat Methenyの映像を合成したものと思われます。正規のPVでないことには注意が必要です。

Bonnie Raitt, “I can’t make you love me” (1991)

昨日の会社からの帰り道、数年前から持ってはいるが低評価していたBonnie Raittのベスト盤を意図的に聞き直してみていた。そうすると、いきなり聞き覚えのある曲が出てきた。さて誰だったろうかと考えてみると、わかりました。2ヶ月ほど前にTSUTAYAでジャケ借りしたジャズ系の女性シンガーSophie Milmanのアルバムに入っていて気に入った曲だ。

Bonnie Raittが歌った”I can’t make you love me”は1991年の作品らしい。BillboardのTop 200で18位がピーク。そこそこ売れた割りには、気付いていなかったな。Wikiを読んでみると、ピアノがBruce Hornsbyらしい。確かにいかにもなフレージングだ。なんでこんな曲を見逃していたのかな。

調べてみると、いろんな歌い手さんがカバーをしているのですね。

Bonnie Raitt (1991)

Sophie Milman (2009)

Adele (2011)

George Michael (1997)

Ma・Ma・Doo!!/フルーツシャワーレディ (1981)

ご無沙汰しております。震災以降は初めてのカキコミになるのですね。いろいろ思うことはあるのですが、それは置いておいて。。。

狂喜乱舞してしまう動画を発見してしまいました。GAROの日高富明さんが解散後に結成したHRバンド、Ma・Ma・Doo!!の「フルーツシャワーレディ 」です。高校生だった頃、TVのCMで使われていたのを聞いて気に入って、FMでエアチェックしたカセットも持っていましたっけ。GAROにのめりこんだのはその後で、これが日高さんのバンドだったなどとは当時は知らなくて。

随分音源を探したのですが、アルバム化されなかったために入手出来ずに四半世紀くらい?久々に聴いたこの曲は、やはり気持ち悪いほどのさわやかさでした。

このバンドの活動前後について、素晴らしい資料がありました。↓
MAMADOO!!

鈴木祥子、「優しい雨」(1993)

作詞が小泉今日子、作曲が鈴木祥子さん。小泉今日子が歌ったバージョンは、1993年のTBS系ドラマ「愛するということ」の主題歌として使われ、オリコンの最高位は2位だったようだ。祥子さんも直後のオリジナルアルバム”Radiogenic” (1993)にこの曲を収録している。ギター一本がバックなんだけれど、ちょっとテンポが遅すぎかなあ。

しかししかし、ライブでピアノ弾き語りでこの曲を歌っているYouTube映像をは、ぞくっと来るような素晴らしいものなので、皆さんにもこの感動を是非。ライブ盤”I was there, I’m here”で聴けるのも、ほぼこのバージョンです。

太田裕美、「茶いろの鞄」 (1976)

B面ネタ続きになりますが、「赤いハイヒール」のB面曲だった「茶いろの鞄」を取り上げてみます。

「赤いハイヒール」は「木綿のハンカチーフ」の次作として発売された作品です。「木綿のハンカチーフ」では上京者は男性・地方に留まったのは女性というのが語り部の役割分担でしたが、「赤いハイヒール」ではこの性別が逆転します。二匹目のどじょう作戦が明確な曲で、余勢を駆ってそれなりに売れましたが、今聴いてみると冴えのない曲です。

それに対して、このB面曲はなかなかすごい。ソフィスティケイトされた運びのメロディーの運びは、この時期の歌謡曲とは明らかに一線を画する秀逸なものです。コード進行には、ジャズの要素がちょっと入ってるでしょうか?

たとえば「木綿のハンカチーフ」でのストリングなどのような、いかにも歌謡曲歌謡曲したアレンジは今となっては堪え難いのですが、この曲のアレンジは、なんとか現在でも我慢出来る程度の仕上がりになっています。イントロや間奏での、フルートのフレージングはかなり自由で、この曲の雰囲気をかなり決定づけています。荒井由実の「あの日に帰りたい」とか、丸山圭子の「どうぞこのまま」といった、ボサノバっぽい曲が流行った時期に重なる、というのもポイントかもしれません。

一方、不良ロック少年と思いを寄せる少女、そんな時代を振り返るという歌詞は「青春のしおり」あたりと共通するものなのですが、松本隆さんの定番ワード「路面電車」が登場するあたり、それはまぎれもなく風街ワールドです。ディープな地方生活経験のない松本さんが書く田舎は、どこか薄い気がします。やはり、都会に徹した詞にこそ松本さんの真価があるように思います。

そして、裕美さんの歌です。彼女は時として、元気に歌いすぎて曲をダメにしてしまうという失敗をしでかしていたように思います。特にそれは高音域を張りすぎてしまう、という点に現れるのですが、この曲ではうまくファルセットで抜いて、いい意味での力の抜けた雰囲気を醸し出しています。

なので、実はこの曲が太田裕美の最高傑作、というのが今日の私の結論です。

YouTubeに音ありました↓

GARO, 「美しすぎて」(1973)

「学生街の喫茶店」で知られるガロの、いわば陰に押しやられた名曲です。

この作品は、もともとスタジオ録音バージョンがA面曲としてシングル発売されました。その際のB面曲が「学生街の喫茶店」。なぜかB面曲の方の人気が沸騰し、ついにはA面、B面が逆転して再発され、バカ売れしたという代物です。類似テイクは、彼らの2枚目”GARO2″にも収録されていますが、はっきり言ってこれはつまらない。(実はシングルとLPでもテイクが違うそうなのですが、えとせとらレコードのサイトに詳細がありますので、ご覧あれ)

今回特にご紹介させていただくのは、1973年発売のLP “GARO LIVE”に収録されたテイクです。アコギとコーラスだけによる、CSN&Yフォロワーの真価を発揮した、まさに美し過ぎる曲なのです。

現在最も安直な入手法は、SONYがやっているダウンロードサイトmoraでの購入です。CD-Rに一度落とさないとiTunesに読み込めないという面倒くささはありますが、アコースティックロックファンの方は是非是非聞いてみてください。必聴です。

 

Lene Marlin, “Here we are” (2009)

Lene Marlinの四枚目”Twist the truth”が3/30に本国で発売になる。今のところ、東芝EMIは何ら反応しているようには見えず、日本盤の発売が危ぶまれる状況。先行シングルである”Here we are”はiTune Music Storeでダウンロード購入が可能な他、My SpaceYouTubeで、全曲視聴できる。

さて、肝心の曲の出来だが、いまいち冴えないなというのが率直な感想。イントロのストリングアレンジを聴いて、こりゃダメだと思った。曲調自体はセカンドの頃に似ている気もするけど、どうにも苦手なリズムの刻みです。声質もファーストの頃とはちょっと違う感じなのが大きいのかな。でも、前作のサードよりはいいかもしれない、って予感はします。

Meja, “How Crazy Are You?” (1996)

evianのCMで使われているので、最近よく耳にする。軽快なswedish popsの傑作。日本ではバカ売れした。本サイトの方には書いたけど、この年僕は日本におらず、翌年発売されたセカンドが彼女との初遭遇。一枚目の”Meja”に遡って聴いて、この曲に出会ったのだ。上のアルバムは、オリジナル盤。今から聴くなら、ベスト盤の方がいいかもしれない。10年以上経って振り返るに、スカンジナビアポップスであれば、日本では何でもかんでも売れたような時代だった。熱に浮かされた時代は去った。だから今こそ、いいものはいいものとして再評価したい。その意味で、今回この曲が再び脚光を浴びるのは嬉しいことなのだ。

ふきのとう、 「初夏」 (1975)

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今日の横浜は天気が非常に良かったので、この記事は的外れの気もするのだけれど。本州が梅雨のこの時期、故郷の札幌は最も陽気がいい季節で、とても帰りたくなる。ふきのとうのこの曲は、札幌の短い夏を題材にとった曲で、何故か心の奥底に張り付いているのだ。ふきのとうは、北海学園大学のサークルから出てきたフォークデュオで、まさにこの曲はご当地ソング。(他の地域ではどうだったか知らないが)札幌のNHKでは、この曲がバックに流れた札幌の映像をスポット的に放映してた記憶があり、その影響なんじゃないかと思う。

歌詞に現れる「かに族」も消えて久しく、「地下街はいつも都会の顔して、狸小路を田舎扱い」と歌われた地下街も、最近ではなんとなく薄汚れた感があり、商圏の中心は札幌駅周囲へと北にシフトしているようだ。地下鉄を筆頭に、オリンピックで何もかもが真新しかった当時の札幌が思い出されるのだ。

Perfume, “Electro World”

40を過ぎた中年男としては、「十代の女性など意に介さない」という態度を貫くべきかとは思うが、この人たちはどうにも気になります。昨年からのNHKの環境CMで「何者だ、こいつら?」とは思っていたのだが、先月のトップランナーを見てから「ひょっとすると、こいつら結構すごいかも」との感想を持った。「わーっ」という感じで見てしまったのが、この番組での“Electro World”という曲のライブパフォーマンス。「勢いあるなー。地力もバカに出来無そう。」という感じと、「曲面白いじゃん」という両面が、ないがませ。

そんな中で、当該番組でのインタビューと、日経トレンディの記事が理解の助けになった。YMOとか決して好きではなかったけど、テクノが当たり前に耳に入ってきてた我々の世代には、響くものがあるのかも。中田ヤスタカ氏をプロデューサーとするサウンド集団、という感じでみるのが正解のよう。トップランナー中の中田氏のインタビューというのが面白く、「三人それぞれの個性は?」という問いに対しての答えが、すべて声質に関するものだった。要は三人を「楽器」として捉えているということ。レコーディングでもこの指示が徹底されるらしい(熱唱しないように、椅子に座らされてレコーディングさせられる、など)。また、本人たちも、自分たちの役割がよくわかっていて、アーティスト然としていないところが面白い。

小室哲哉にしろ、つんくにしろ、プロデューサー・仕掛け人として成功して、そして飽きられていった人たちというのは過去にいて、今回もやがてはそうなっていくのだろうけれど、彼女たちにはいいパフォーマンス見せてほしいなあ。

ところで、中田ヤスタカさんは、金沢のご出身のよう。あの街からこういう人が出てくるのも、結構意外な気がしてます。

荒井由実、ハイファイセット 「卒業写真」

例年この時期になると、「卒業写真」のキーワードから検索して、このサイトを訪れる人が急増する。ハイファイセットのデビュー盤として発売されたのが1975年2月5日、ヒットから間が浅かったぼくらの時代はそんな事態にはなっていなかったのだけれど、30年以上の時を経て学校教育では定番の合唱曲なんかにもなってしまったようだ。荒井由実バージョンは、バックのアレンジが秀逸。ハイファイセットバージョンは、やはり新居潤子(山本潤子)さんのボーカルが素晴らしい。

『あのころの生き方をあなたは忘れないで』というフレーズがこの曲にある。今日の午後、中学時代の同級生の訃報を伝えるメールが回ってきてた。全国紙の「おくやみ」欄に訃報が出るまでに有名人になった彼は、他の同級生たちのような収まり方とはほど遠いところで、決して平坦ではない人生を太く短く駆け抜け切ってしまった感がある。札幌を離れてから会ったのは一度だけ、新宿で集まって飲んだのは7-8年前だったろうか。彼の「あの頃の生き方」と、現在がどうつながっていたのだろう、とふと考え込む。彼の冥福を祈りたい。

加藤いづみ、「好きになって、よかった」 (1993)

それなりにヒットした曲だったと思うのだけれど、オンタイムでの記憶がない。アメリカに渡った直後の1995年春、「北の国から ’95 秘密」のビデオを日本から送ってもらい、郷愁心をそそられながら見ていた。その中の雪印のCMで使われていたのがこの曲。どうにも気になり、LAまで買出しに行ったときに”Sweet Love Songs”というアルバムを仕入れた。アルバム自体はとてもつまらなかったが、この曲だけはやはり別物。未だに時々聞く曲だ。

CASCADA 「いつでもタッチ」

Tower records横浜駅西口モア店内にて、聞き覚えのある曲がかかっていた。Maggie Reillyの”Everytime we touch”のカバーなんだけど、私の苦手なユーロビートテイストで、聴くも無残な状況。ドイツのCASCADAというグループによるものらしいが、それ以前の問題としてこの邦題はなんとかならんのか?しかしこれがそれなりにマーケットでは当たったようだ。非常に複雑な心境なのだが、これを機にMaggie Reillyの名盤”Echoes”が再発でもされて、より多くの耳に止まりますよう。

あと、どこでも店頭でのKT Tunstallのプロモーションが盛んだ。新譜が出たのかと思ってあせって見てみると、そうではない。”Eye to the Telescope”の邦盤が、今頃になって東芝EMIから発売されたようだ。ずいぶん前に買った気がすると思うので調べてみると、UKでは’04/11の発売だった。それでもやはり、良い音楽がより多くの人に届くのはうれしいもの、日本での売れ行きに注視したい。

渡辺美里、”My revolution” (1986)

この曲の発売は1986.1.22、石野陽子が出ていたTBSドラマの「セーラー服通り」で使われた曲だ。この曲を初めて聴いたときの衝撃は忘れ得ない。PV以外のテレビで渡辺美里を最初に見たときのことは、はっきりと覚えている。当時のランキング番組の最高峰だったTBSの「ザ・ベストテン」初出演のときだ。発売直後が最高で上位からは2-3週で消えてしまうような現在とは違い、当時のチャートアクションはゆっくり上がり、ゆっくり下がっていくのが主流。渡辺美里はランクインした最初の数回は出演拒否をしてから、何週目かにどこかのライブ会場から初登場したのだが、緊張のあまりがちがちになっていたのがテレビでもはっきりと見てとれ、歌の出来も芳しいものではなかった。強がっている19歳、という感じだったが、それでも初めて見た動く渡辺美里には感動したものだ。
それから20年、初出場の紅白でこの曲を聴いてから三時間と経過していない。その時間だけチャンネルを譲ってくれた嫁に感謝。デビュー20周年だった2005年を締めくくるにはふさわしい舞台だったのだろうと思う。久々にテレビで歌っていることを聴いたけれど、その堂々とした様子に、ダメダメだったあの日のベストテンのことをふと思い出した。最近セールスがちょっと持ち直してきている彼女も、先人の白井貴子EPOのように、売れた時期を過ぎても歌い続けたことで、静かだが強いメッセージを送ることが出来るようになったということか。しばらく渡辺美里ウォッチをさぼっていた僕だが、また注意を向けてみようと思う。

「一本の音楽」 by 村田和人

一言で言えば、「旅に音楽を持ち歩くことは欠かせない」、といった内容の歌だ。この曲を聴くと痛切に思い出すのが、1995年の夏のことだ。僕はこのとき海外修行中で、この夏はイギリス南部のブライトンという町に滞在していた。ある週末、どうしても北の方に行ってみたくなり旅に出た。本当はスコットランドに足を踏み入れたかったのだけれど、夏は宿を取るのが大変だとのことで、イングランド最北端のDurhamという町で引き返してきた。Durhamの駅で南へ戻る列車を待っていたときに駅で聞いていたのがMDに入れておいたこの曲、イギリスらしからぬ暑い日だったのを痛烈に覚えている。

なんでこんなことを書いているかというと、僕も最近遅ればせながらiPod族の仲間入りしたのがきっかけだ。この曲は1983年の発売、日立マクセルのカセットテープのCMで使われていたので耳にすることは多かった。実家の弟がこの曲にどっぷりの時期を過ごしたこともあり、10年前の春に帰省したときにこの曲をMDに録音した。それが海外に出る直前のこと。今の若い人は、「一本の音楽」という言葉から何を思うだろう?メモリースティックだろうか?カセットのことだとは思わないのは確かだと思う。最近、旅(というか出張だけれど)に出ることが多い。この曲をiPodに入れて持ち歩こうと思う。カセット・MD・デジタルオーディオと、自分の関わったテクノロジーも何世代にも渡るようになってきたなと実感することで、自分の軌跡も感じてみようと思う。歌詞のように、「昨日までのわずらわしさ、破り捨ててしまえ」とはいかない現実とともに。

Paris Match, “Voice” (2005)

11/23にシングルが発売になった直後だそう。先週末にFMで何回か聞いて興味を持った。これ以前の作品をまったく知らないし、DJが「クラブシーンで・・・」と言いかけた途端に別の局に移ってしまうというほど邦楽のクラブ系に拒否反応が強い僕なのだけれど、この曲はいいね。思わずシングル買いました。

杉山洋介と古澤大の音の作りは、かっちりと計算されていて心地よい。オリジナルラブの田島氏がプロデュースしたアンナバナナの”high dive”あたりを思い出す。ドリカム的でもあるとも言えるかな。(ということは、Swing out Sisterっぽくもあるのか)。

でも、やはり決め手は、ボーカルのミズノマキの声だろう。独特の透明感と、ふっとファルセットに抜く歌い方、理屈抜きにいいと思える。弱点はといえば、残念ながら歌詞が意識に残らないこと。適切な表現ではないかもしれないけれど、インストものとして聞いているっていう感じだろうか。ミズノマキの声が楽器として優れていると言えるかもしれない。

まあとにもかくにも、以前の作品も聞いてみようかという気に、ちょっとなったのだ。

「ミスターサマータイム」(サーカス)

ある午後、カーステで「ミスターサマータイム」を聞いていたときの、妻との会話。

妻「だいたい、ミスターサマータイムって誰だよ?」
私「要するにこの歌詞、ナンパされてやっちゃいました、ごめんなさい、って内容なんだよね」
妻「なんだ、尻の軽い女の話か」(と吐き捨てる)
妻・私「げらげらげら」

「海を見ていた午後」(荒井由美)

ある午後、カーステで荒井由美の「海を見ていた午後」を聞いていたときの、妻(はまっこ)との会話。

私「この歌詞に(山手のドルフィンに)『坂を上ってひとり今日も来てしまった』ってあるけど、これは根岸の方から登ったってことかね。」
妻「そうじゃないの」
私「えらく急だよね。あの坂。歩いて登ると。」
妻「ご苦労さんなこって」
私「まったくご苦労さんなことで」
妻・私「げらげらげら」

The Pretenders, “I’m Not In Love” (1993)

言わずと知れた10ccの名曲を、映画”independet proposal”のサントラでカバー。それがシングルカットされたものらしい。2曲目はご丁寧にもカラオケである。

原曲の緻密なスタジオワークは、私にとっては殆ど宗教の域に達した、信奉の対象なのだ。なわけで、いかにPretendersと言えども、この安易なカバーには正直許せないものを感じてしまう。

EPO, 「さとうきび畑」(2002)

帯には「癒し系の原点と誉れ高いアルバム「UVA」より」とある。”UVA”は1995年発売のアルバムだが、私はこの時期EPOへの興味を失っており、かつ日本にいなかったので、このアルバムはノーマークだった。そのアルバムから、二曲をシングルとして再発したのが本作。

今のEPOのスタイルの原点がはっきり見える二曲だ。「さとうきび畑」のアコースティックな音の作りは確かに癒し系であろうが、沖縄戦を題材に取ったと思われるその歌詞はずっしり重く、私は凍り付いてしまった。

もう一曲は”Pump! Pump!”に収録されていた「音楽のような風」のアコースティックバージョン。これも、ボーカルとギターのみの薄い音の作りで、素晴らしい仕上がりだ。ブレスの取り方までもが計算されつくされているような、すごい音。必聴。今までこれを聞き逃していたとは、無念でならない。

北欧旅行記〜Lene Marlin

1999/8/29, Stockholmにおける出来事。動くLene Marlinを見てしまった。単に”sitting down here”のビデオクリップで、生ギター弾きながら歌っているのを一瞬垣間見ただけなんだが、MTV系不毛の地金沢に住んでいる私にとっては初見である。地元のFM局のTV CM(?)らしいのだが、The Cardigans, Alanis Morissetteに挟まれる格好で登場している、ってことはスウェーデンでもトップシンガーの位置を確立してるってことだよね。やっぱ、すごいよ。かなりミーハー的な行動として、LeneのCDシングルも二枚ほど調達してしまった。結構渋目に仕上がったジャケットです。

1999/8/31-9/5, ノルウェー国内を徘徊。CDの売り上げはさすがに落ちているようだが、それでもどこのCDショップでも20位前後のランクをキープしている模様。ちなみに、アルバムのジャケット写真は日本で売られているものと同じであった。

Norwayは米英系の音楽がそのまま受け入れられるところで(みんな結構まともな英語を喋る)、地元勢のレコードは店の片隅に追いやれているのが現状。その中でチャートに食い込んでいくことは大変そう。地元のTVを結構見たつもりだが、音楽系の番組はほとんど無くて、ビデオでプロモーションかけてくのは難しそうな気がした。アメリカなんかと同様、むしろラジオが強いんだろう。

それにしても、快晴のPreikestolenの上で、Lene MarlinとSiljeを聴きながら昼寝をしたのは、ノルウェー満喫っていう感じで、言いようもなく快感だった。多分一生のうちでも、最も幸せな瞬間の一つだな。