歴史を彩るひどい歌50選

とでも訳すのでしょうか。Blender.comのいささか古い(2004)記事で、原題は”Run for Your Life! It’s the 50 Worst Songs Ever!” オリジナルはここで見れます。

なんでこんなものを発見したかと言えば、Starshipの”We buit this city” (1985)について調べていたところ、wikipediaの該当ページにその記述があったから。見事、栄えある第一位を獲得しておりました。Starshipの軽薄な音は結構好きだったんですよね。NHKホールの来日公演とか見に行きましたもの。Starshipの前身が、”somebody to love”などで知られる、60年代後半のシスコを代表するサイケバンドJefferson Airplanesだってのは、意外に知られていないのかもしれません。

America, “Harbor” (1977)

オリジナルアルバムとしては7枚目、Dan Peek脱退前のトリオとしての最後の一枚にして、Warner Bros.レーベルから発売された最後のオリジナルアルバムでもある。ハワイ録音で、ジャケットが印象的。商業的には大成功とはほど遠かった一枚だが、私としてはとても好きなアルバム。

1. “God of Sun”の音の枯れ方がなんと言っても素晴らしい。単調なリズムを刻み続けるピアノと、G.Beckleyのリードボーカル、いかにもアメリカなコーラスワークと文句ないのです。4. “Political Poachers”も好きな曲だ。5. “Sarah”は、Beckleyっぽい甘ったるい曲だけど、いいんだよね。9.“These Brown Eyes”はPeekの曲でなんだか記憶に残ってる。

1曲目を除けば決め手となる曲もないのだが、ハワイ録音のせいだろうか、ストリング仕立てをちょっと控えてアコギバンド回帰してるからなのか、音の抜けがよくて、好きな仕上がり。まあまあ、おすすめです。

America, “Holiday” (1974)

Americaの四枚目。この作品からプロデュースが(The Beatlesを手がけた)George Martinとなり、ストリングを加えたアレンジなどの新趣向が出てくる。商業的に成功した五枚目の”Hearts”の布石と捉えるといいのだろうか。名盤と言える出来ではないけれども、個人的には好感を持ってるアルバム。

オズの魔法使いからヒントを得ている2. “Tin man”, 4. “Lonely people”が全米トップ10入りした二曲。前者は以前からのアコースティックギターバンドとしての色と、George Martin色がうまくミックスした曲で結構好き。ちょっと変わった音作りの 7. “Hollywood”や、アコースティックギターとピアノの絡むイントロが印象的だった10. “Old man took”も記憶に残っている曲。他には、3. “Another try”、9.“You”あたりも好き(甘ったるさがちょいと気にかかりますが)。

鈴木祥子、”Long Long Way Home” (1990)

4枚目となる1990年作品。3.“Little Love”は、EPOあたりに通じる80年代邦楽ポップスくささが強く出てる曲。このサビはどこかで聴いたことがあると必死に考えるんだけど思い出せず、ここ数日悶絶中。このアルバムでは一番しっくりくる曲だが、これが本当の彼女自身の色かというと、それは違うかもしれない。4. 「水の中の月」も80年代っぽい拡がりのある音作りで好きだな。5. “Down by riverは、Neil Youngの名曲と同名の一曲。コード進行やアレンジの一部にもその影響が感じられる気が。好きな曲です。1. 「光の駅」、6. 「夏のまぼろし」、7. 「あの空に帰ろう」、10. 「どこにもかえらない」あたりもよい。強烈な曲があるわけでもないが、私的には聴きやすい80年代の音。好きな一枚というよりは、嫌いとは言いにくい一枚、って感じでしょうか。

John Cougar, “American fool” (1982)

イギリスのニューウェーブ勢がチャートを席巻した1982年に、ソリッドなアメリカンロックで売れたたのがJohn Cougarだった(その後、John Cougar Mellencamp, John Mellencampと名義は何度か変わる)。何枚かパッとしないアルバムを出したあとのブレークスルーだったようだ。

1. “Hurts So Good”はビルボードの最高位が2位らしい。今聞くと非常にいいなあ。2. “Jack and Diane”は、ビルボードで 1位まで上り詰めた曲。イントロが、もろに80年代前半のアメリカンロックっぽくていいよねえ。この曲のアコースティックギターの使い方が、ものすごく好きだった。wikipediaによると、本人あんまりこのアレンジは好きではないようだけど。5.“Can You Take It”、 8. “Close Enough”あたりも好きだった。TSUTAYAで借りて20年ぶり以上に聴いたわけだけど、結構このアルバムの曲は(シングル的には売れなかったものまで含めて)覚えてるもんだな。

Jackson Browne, “For everyman” (1973)

Jackson Browneの二枚目にして、初期の最高傑作。本作に加わったDavid Lindleyは、以降JBの作品に欠かせないキーパーソンとなる。アルバムは、The Eaglesのヒットとして知られる1.“Take it easy”から始まる。ドラムが16ビートを刻んでいるところ、David Lindleyのスライドギターが効果的に使われているところが、がイーグルスバージョンとの大きな違いか。4. “I though I was a child”もSSWとしての本領を発揮した名曲。5. “These days”はJBの曲の中でも最も好きな曲の一つ。最初に触れたのは、New Grass Revivalによるカバーバージョンでしたが。6. “Redneck friend”はあまり好きな曲ではないが、キーボードがElton Johnだってのが特記事項。9. “Sing my songs to me”も佳曲。タイトル曲でもある10. “For everyman”は、David Crosbyへのメッセージとして書かれた曲。everymanは「どこにでもいる当たり前の人」と訳すらしい。「この場に踏み止まり生きていく」ことを、内向きな表現ながら、強い社会的メッセージを発した曲だそうだ。

四半世紀

実はこの記事を書いているのは、4/4。バックデイトして書きますが。

毎年4月1日には色んなことを思う。今年はどんな年かと考えてみれば、高校時代までを過ごした故郷を離れて東京で大学生活を始めて25年、ちょうど四半世紀になる。成し遂げられたこと、成し遂げられなかったこと、得たもの、失ったもの、色々あるわけだけど、全部ひっくるめてこその今の自分。新たな勝負の年度が始まるのだ。

GARO, “GARO” (1971)

携帯に舞い込んだ渋谷・TAUTAYAのレンタル半額キャンペーン。ここは以前から狙っていたブツをまとめ借りなのだ。で、これは名盤の誉れ高いGAROのファーストである。数年前に出たボックスものも買いぞびれ、中古屋では10年近く探し回っても遭遇せず、という逸品。レンタル屋で借りれたなんてね。自分の間抜けさ加減を呪うのです。

このアルバムとの出会いは高校時代に遡る。CSN&Yで洋楽に目覚めた僕は、ほどなく和製CSN&Yの異名をもつGAROにたどりつく。もちろん「学生街の喫茶店」なんかで知ってはいたのだが、アコースティックロック色が強かった一枚目の存在は知らずにいたのだ。同時期に、富澤一誠著による「失速〜ガロが燃え尽きた日」という本も店頭に並んでいた。この作品は、今に至るまで議論の多い一冊だけれども、間違いなく僕をGAROへと導いた一冊だった。とは言っても、80年代初頭には既に廃盤になっており、あちこち探して北18条駅の北大教養部そばにあった中古レコード屋でLPに遭遇したのは、高校三年の夏だったろうか。予備校の夏期講習帰りかなんかだったと思う。この一枚は、LPを大量に処分したときも生き残り、未だに手元にある。でも、プレーヤーがないんだけどね。

さて家に戻ってLPに針を落とすと、そこには邦楽とは思えない世界が広がっていた。1. 「一人で行くさ」の、イントロでのアコギの絡み、いきなりの三度コーラス、これはCSN&Yの”Deja vu”とか、Americaの”Homecoming”に針を落としたときと正に同じ感覚で、すっかりやられてしまった。この一曲は、GAROの曲としては最も好きな曲のひとつだ。4, 「何もかも遠くに」あたりは、Stepehn Stillsっぽいよねえ。6. 「暗い部屋」は、あまり好きではない曲調なのに、なぜか深く囚われてしまった曲。8. 「小さな恋」は、当時はそのわかりやすさが好きだった。今思えば、甘ったるすぎるけど。9. 「地球はメリーゴーランド」は、今でも好きだなあ。Bee Geesっぽいんだよね。

1983年に江古田マーキーでの堀内・日高二人だけの再結成ライブには行ったが、三人揃っての再結成は日高さんが他界したことであり得ないことになってしまった。久々に聴いてみて、黎明期の日本のアコースティックロックを代表するバンドであることを再確認。はっぴえんどほど後世にインパクトを与え続けられるグループではなかったかもしれないけど、好きだなあ。洋楽で言えば、AmericaとかBreadとかと似たような位置づけですかね。

都市は生き物

先週は、業務出張というやつで、久々にヨーロッパに行っていた。

30歳になったばかりの1995年の夏にイギリスに短期滞在していた経験があるため、古巣に戻るような意識があるのだが、かえってそれが仇になったりもする。ロンドンの地下鉄の初乗り料金4ポンド(800円程度)って何だよ?最近は、東京で言うSuica, Pasmoに対応するようなICカードがあって、それを使うと料金も安いらしいのだが、そんな情報も帰国してから気付いたのだ。持っていった地球の歩き方は1995年版。当時の知識に頼ってしまい、事前学習もほとんどせず。謙虚さはやはり必要なのだ。

また、当時していたようなサバイバル旅行は、時間的にも体力的にも許されず。自分が柔軟性を失っているのを実感するのが、一人でどういう飯を食うかっていう問題。現地人に連れていってもらえた日は、そのあたりを考えなくてすんで、とてもうれしかったなあ。

春らしくなってきましたね

自宅のバルコニーから見る富士山も、厳冬期のようにくっきりしたものではなくなり、だんだんぼけてきた。気温も上がり、花粉もとび、いよいよ春の足音が聞こえてきてますね。

さて、2月の本サイト訪問の検索語十傑です。

山本潤子 443
白井貴子 130
Silje 95 (Silje Nergaard)
Lene Marlin 51
渡辺美里 44
Donna Lewis 39
アンナバナナ 39
EPO 32
Maggie Reilly 31
CSN&Y 29

ジョン・アーヴィング、「オウエンのために祈りを」

ちょいと趣向を変えて、本について書いてみようと思う。ジョン・アーヴィングは、長編ものを得意とする、現代アメリカ小説の巨匠。「熊を放つ」「ガープの世界」「ホテルニューハンプシャー」「サイダーハウスルール」などが代表作で、その多くが映画化されているためになじみも深いのではないかと思う。

この「オウエンのために祈りを」は1989年に発表されているが、邦訳のハードカバーが出たのは2000年、文庫化されたのが2006年のようだ。アーヴィングは翻訳家泣かせの作家だという話をどこかで読んだことがあるが、往々にして、邦訳が出るまでのタイムラグが長いのも特徴。

僕がアーヴィングを何冊か読んだのは80年代の大学時代。ある意味(悪ふざけの度が過ぎる類の)どぎつさと、妙に説教くさくconclusiveな記述が並んでいる作風だと記憶していた。だいたい上下巻の二冊構成であれば、上巻の半ばまでは、表現がわかりづらく読むのが大変しんどく数ヶ月かかるのだが、しかしそこを過ぎれば一気に作品世界に呑み込まれて、最後までは数日で一気に通読してしまうのが常だった。

本作を読み始めて、教会を重要な舞台とする宗教を直視した設定であることにまず驚かされた。舞台は語り部が少年・青年時代をすごした1950-60年代のニューハンプシャーと、語り部が生きる1980年代後半のカナダ・トロント。土地の名家の流れを組むが私生児として生まれた語り部と、大の親友である不思議な少年オウエンが軸。オウエンが打った野球のファウルボールの直撃を受けて命を落としてしまう語り部の母、その夫のプレップスクールの教師(語り部の義父)、語り部の祖母、従姉妹などが絡んで話は進行していく。およそ少年らしくないオウエンの言動のひとつひとつが、結末(すなわち運命)に流れ込んでいく重要な要素であり、決して見逃してはならないところがアーヴィング作品の辛いところだ。

さて、最初は辛いが途中から一気に吸い込まれるのがアーヴィング作品の常、僕にとっての転換点はクリスマス劇のエピソードのあたりだった。ここを過ぎると、ケネディ時代からベトナム戦争期へと続く青年期の部分は一気に読んでしまった。

衝撃的な結末の舞台は、僕のHNの由来となったアリゾナ州フェニックスのスカイハーバー国際空港だ。なぜ、ニューハンプシャーでもベトナムでもなく、「もがきつつ生きる」ようなタイプの人間がほとんどいない、あんな乾いた土地で物語が終わるのか、いっそう虚無感があおられるのだった。結局、宗教とは縁遠いところで生きている僕のような人間には、この小説は決して理解できるものではないのだけれど、「すべてのことに意味がある」を受け入れられるかどうかについてはじっくり考えてみたいと思うのが読後感。

Miranda Lee Richards,”The Herethereafter”(2002)

発売直後に購入していたものの、レビューせず放置すること、早6年ですか。この作品は、なかなか面白いのです。Wikipediaによれば、サンフランシスコ育ちで両親はコミックアーティストだとのこと、カウンターカルチャーの中で育ってきたことが伺える。60年代後半のJefferson Airplaneとか、ヒッピーカルチャーの香りがするものを21世紀になってあえて作ってきたところが面白かった。

1. “The beginner”はStonesのカバーなのだそうだけど、オリジナルを知らず。でも、アレンジはサイケですねえ。2. “The Long Goodbye”は一番日本で売れた曲らしい。60年代後半のロックの色と、彼女自身がFavoriteとして挙げるChrissie Hynde (The Pretenders)の匂いがプンプンとする一曲で、私的にも一番のお気に入り。4. “Right now”, 7. “Last Solstice Of The 70’s”, 9. “Beauty Queen”, 13. “When We Go Walkin'”あたりも、いいですねえ。

Wilson Phillips. “Wilson Phillips” (1990)

全米No.1ヒットを3曲生み出した三人組のデビュー盤。売れたわりには、長く保有する気にもならないというアルバムだからか、『中古屋のベストセラー』状態。ブックオフで105円で出ていたところを購入したもの。デビュー直後は、親がThe Mamas & the PapasやThe Beach boysのメンバーであるという二世グループとしての顔が前面に出されたプロモーションだったと記憶している。

で、聴いてみると、非常に懐かしい音だ。教科書的な三度コーラスと、いかにもこの時代の売れ筋の音の作り方が成功の源か?ビルボードNo.1の“Hold On”, “Release Me”, “You’re In Love”あたりは、売れなきゃ不思議、という音。でも、チャート的には12位止まりだった “The Dream Is Still Alive”の記憶がはっきりしているのは何故だろう。このメロディーは好きだなあ。

事実上、一発屋だった彼女たちだが、「ミュージシャン」になりきれず、「歌い手」止まりだったということだろうか。

Steve Morse Band, “Coast To Coast” (1992)

Steve Morse Bandのアルバムの中で、最も好きな一枚。それを決定付けるのは、“The Oz”。ロックインストというよりはフュージョンっぽい曲で、速弾きではなく、むしろコードワークで勝負の一曲。単純なんだけどすごくすごく格好いいギターインストで、個人的には忘れ難い。2:10くらいのところのブリッジというか、Cメロというかも格好いいんだよなあ。

いつも通りの速弾きロックインストの1. “User Friendly”, 2. Collateral Damageも、もちろん格好いいのです。

The Supremes, “The Ultimate Collection” (1997)

昔からSoulとかR&Bのような黒い音には、どうもなじめない私であります。しかし、数々のカバーを通して、いくつかのThe Supremesの曲にはなじみが深くなるのは必然で、ツタヤでベスト盤借りてみました。僕が洋楽を聴き出した80年代前半に、Diana Rossは押しも押されぬソロの大御所だったが、どうにもなじめなかった。しかし、60年代にThe Supremesで歌っていた頃の彼女の声は、どうにもチャーミングだ。

同じ姿の髪の薄いサングラス姿の男がずらりと並ぶPVが印象的だったのは、Phil Collinsがカバーした“You Can’t Hurry Love”(放題:「恋はあせらず」)だったが、やっぱり原曲が素晴らしいのだね。“Stop! In The Name Of Love”とか、“You Keep Me Hangin’ On”あたりも、元々非常になじみがあり。渡辺美里が初期のライブでカバーをやってましたな。

“Where Did Our Love Go”, “Baby Love”, “Back In My Arms Again”, “Someday We’ll Be Together”あたりの全米no.1になった曲は、やっぱりさすがの出来ですねえ。

荒井由実、「14番目の月」 (1976)

これも名曲揃い、文句なしの名盤。80年代に繋がるpopな音の作りが、邦楽においてもこの頃確立したんだな、と思わされるのが1. 「さざ波」。2. 「14番目の月」は、つくづく名曲だ。4. 「朝陽の中で微笑んで」は、ちょっと不思議な曲。曲はしっかりユーミンワールドなのに、ギターのアルペジオはまぎれもなくこの時代のフォークっぽいもの。このアンバランスが、奇妙にはまる。どういう思考回路になってるのか自分でわからないのだが、何故かこの曲を聴くと僕の頭の中には同時代の中村雅俊の「俺たちの旅」が思い浮かんでしまうんだけど。

で、このアルバムを代表する一曲と言えば、5. 「中央フリーウェイ」ですね。多摩地区の米軍基地の多くが未返還だった時代の話なんで、どうも実感がわかないのだけど。6. 「何もなかったように」, 7. 「天気雨」も、天才的としかいいようのないメロディーメーカーとしてのセンスを存分に発揮した曲。

荒井由実、「ひこうき雲」 (1973)

天才ぶりをいきなり開花させきったわけではなく、それとなく示したかのようなデビュー盤。夭折した友人を歌ったとされる1. 「ひこうき雲」は、いきなり強烈。2. 「曇り空」のメロディーの運びは、歌謡曲でもフォークでもない、おそらく当時の邦楽にあっては斬新な世界を切り拓くものだったのではと容易に推察できる。5. 「きっと言える」, 6. 「ベルベッド・イースタ」なんかも、意外性あるなあ。8. 「雨の街を」とか、10. 「そのまま」みたいなピアノの弾き語り曲に、Carole Kingの強い影響が見られるのは、やっぱり時代ですかね。

雪ですね

今日の横浜はかなりの雪。高校までを札幌で過ごし、その後金沢にも数年いた僕からすると、雪の量自体は大したことないですが。しかし、元々雪に弱い首都圏なうえ、横浜は坂が多い街、陸の孤島状態続出の予感。少なくとも、自分で車を出す気にはならないですねえ。

さて、一月の本サイト訪問の検索語十傑です。

山本潤子 324 (赤い鳥、ハイファイセット)
白井貴子 115
Silje 96 (Silje Nergaard)
Corinne Drewery 73 (Swing out sister)
渡辺美里 63
Maggie Reilly 57
CSN&Y 43
Lene Marlin 41
Donna Lewis 38
平松八千代 37 (LANPA, SOY)

一月で個人的にめでたかったのは、12月に会社で受けたTOEICのスコアが初の900超え(940)でびっくりしたことかなあ。全く勉強してないんだけど。

鈴木祥子、”Radiogenic” (1993)

初期も終わりの時期の作品と位置づけられるのだろうか?90年代後半の作品から入った僕としては、僕のイメージする「鈴木祥子らしさ」がないから、ちょっと物足りないところがある。80年代の上質なポップスが想起される音なんだけど、おそらく彼女でなくても作れてしまう音なんじゃないかと思えてしまうところが、のめりこめない最大の原因かな。

それでも、“Goodbye, my friend”「両手いっぱい」“my love, my love”あたりのアルバム後半の曲は好きだ。ギターが小倉・佐橋の山弦コンビなんだよね。懐かしのCorey Hartと共演している“Original Aim”も面白いな。小泉今日子(作詞も小泉今日子)が歌ってヒットした「優しい雨」は、ギター一本がバックなんだけれど、ちょっとテンポが遅すぎかなあ。

Workshy, “Clear” (2000)

このアルバムも、外れのない快作。とても心地よい緻密な音なのだ。BGMとしては最高、しかし決定的に吸い込まれていくインパクトの強い曲があるかといえば、そうでもない。というあたりが微妙だ。

1. “Got it clear”, 4. “With Or Without You”, 5. “Anything You Want”あたりがお勧め。6.“If You’re In Love”は、Stevie Wonderあたりを想起させられるメロディーの運び、かつ次作”Mood”の中の”Forever”にも似てますかね。

Christopher Cross, “Christopher Cross” (1979)

邦題は「南から来た男」。言わずと知れたAORの珠玉の名盤。透き通ったハイトーンボーカルがもてはやされたのは、これと前後するAir Supplyのヒットなんかとも共通するところがあった。8. “Sailing”が特に素晴らしい。 “Never Be The Same”もやはり名曲。

80年代前半に僕が洋楽を聴き始めた頃、僕が聞いていたのは60年代後半もの。その時点からわずか15年遡る程度でしかったものを、えらく昔のものを聞いている気になっていた。いまさらながらこのアルバムが30年近くも前のものになるというのにショックを受ける。

The Indigo, “The Flair” (2005)

The Indigoの7枚目。市川さんのある種豊富すぎるアレンジのバリエーションが、逆に器用貧乏っぽい印象を最近数枚は受けていたのだが、本作はデビュー盤に近いアコースティックロック/ポップス路線で、僕的には非常に好きな音になっているのだ。特に、2. “waiting for you”, 4.“I’m busy”, 8. 「あの雲をつかまえて」あたりは、音的には好き。11. “Just the way you are”はBilly Joelの名曲と同タイトルだが、カバーではなくオリジナル。しかし、音が好きなわりにはのめりこめないのは、歌詞の問題だろうか。特に英詞の部分は曲から浮いてしまってますね。

Mary Lou Lord, “Baby Blue” (2004)

1965.3.1生まれだというので、僕自身とも2ヶ月と違わないんだな。Nirvanaを理解できない私にとってはどうでもいいことなのだが、Kurt Cobainの元恋人とも言われる人らしい。その真偽とは全く無関係に、このアルバムは素晴らしいものだと思う。誰に一番近いか考えてみたのだが、頭に浮かんだのはMatthew Sweet、フォークロックっぽいSSWという位置づけだろうか。

総じて外れのないアルバムなんだけど、特に好きなのは、1. “The Wind Blew All Around Me”, 4. “Baby Blue”の二曲。

「この人、男だか女だかわからん」

と、隣の部屋でテレビを見ていた妻が言うので、怖いもの観たさで近づいてみた。そこに映っていたのは。。。。

The PretendersのChrissie Hynde姐御であった。

しばし絶句。「なんという、とんでもないことを言うのだ。おれの女神様だぞ。」と胸中では思いつつも、黙って見入ってしまったのでした。いくつになっても、ひたすら格好いいのである。引き続いてのThe Doobie Bros.も良かったねえ。2006年のウドーフェスの録画でありました。(実際の会場は、相当面白い状況だったようですが。)

Maggie Reilly, “Rowan” (2006)

これもiTune Storeで調達したもの。私が世界で一番声がきれいだと信じてやまないMaggie Reillyの最新作。昨夏にCDの邦盤も発売になっていたはず。

しかし、正直この作品はしんどい。トラッド志向が強くなって、ポップス色は非常に薄くなってしまった。”Echoes”の時代の音が好きだった私としては、ちょいと受け入れがたい。2. “Who Knows Where the Time Goes?”, 4.“Star”, 8.Heartsongあたりは、まあ聞けます、っていう程度でしょうか。

Rebekah Jordan, “The Trouble With Fiction”(2005)

1997年にRebekah名義で“Remember to Breathe”を発表。このアルバムには現在でも中古屋で遭遇する確率が高いので、当時日本でもそれなりに受け入れいられたのだと思う。二作目の発売がなく消息がわからなくなっていたのだが、たまたま公式サイトを発見して最近の動向を知った。女優業にむしろ忙しかったようだが、2005年に6 songs EPとして出した久々のミニアルバムは、日本でもiTune storeで購入できる。

で、本作品なのだが、非常に良い。前作のように、アコースティックな曲〜オルタネ爆発な曲まで混在という感じではなく、ちょうど私の好きなアコースティックな路線あたりで落ち着いてまとまっている。blackっぽさを感じさせないblackな音は、相変わらず健在。2. “Dreams”がStevie Nicksのカバーである以外はオリジナル。特に好きなのが、4.“The Art of Losing”。メロディーの運びも、ギターのコード感覚も、とてもいい。3.“Happy”も、面白いなあ。5.“Bliss”もきれいな曲。外れがないアルバムと思えるのは、6曲に絞っているからか?大手レーベルに属さずとも、CDという媒体の物理的な容量にとらわれずとも、ダウンロード販売みたいな発表の仕方が出来るようになったってのは、マスプロ的ではない良質な作品が出てくることを確実に助けている、ということが実感できる作品だ。

2007年のアクセス統計

昨年も、親サイトである“My favorite female singers”の更新をほとんどしなかったわりに、多くの方々からアクセスしていただきました。2007/1/1-12/31のアクセス件数は、以下のとおり。ユニークアクセスが2006年とほとんど変わっていないように見えますが、セキュリティソフトの影響も大なので、実質的にはトータルページビューもユニークアクセスも長期低落傾向に変わりなし、と判断します。

トータルアクセス数 77321 (2004: 121318, 2005:104818, 2006:93907)
重複を除いたユニークアクセス数 36509 (2004: 49241, 2005: 42273, 2006:36580)

2007/7/1-12/31の検索語数のベスト10は以下の通り。長らくサイトアクセスを引っ張ってきた、Lene Marlin, Joni Mitchellが消えたのは寂しい限り。

山本潤子 2985
渡辺美里 1336
白井貴子 557
Silje Nergaard 336
EPO 324
アンナバナナ 232
CSN&Y 196
Donna Lewis 192
Maggie Reilly 170
Solveig 168

あけましておめでとうございます

みなさまにとって、今年が良い一年でありますように。年末年始は、変な音楽番組が多くて、楽しめますね。さっきやってたBSでの小林克也のBest Hit USA 特番とか、一昨日のイカ天回顧番組とか。LANPA時代の平松八千代さんなんかが、ちらっとだけど見れたのもうれしかった。
さて、新しいサーバーでの”my favorite female singers”の試運転開始と、従来サイトでの体裁変更を行いました。こちらの方も、よろしくお願いいたします。

The Doobie Brothers, “The Captain And Me” (1973)

大学時代、Eaglesは死ぬほど聴いていたが、Doobieはさっぱり。デビュー盤であるこの一枚を聞いて、単なる食わず嫌いだったことを思い知らされる。おそらく、洋楽を聴き始めた頃は、Micheal McDonaldのソロが非常に売れていた頃で、(後期の)ちょっとむずかしめのサウンド=Doobieっていう思い込みがあったのだと思う。この一枚をツタヤで借りてきたのだが、失われた20年を呪うような内容だった。

2.“Long Train Runnin'”、ひたすらギターが格好いいねえ。3.“China Grove”も言わずと知れた名曲だ。5.“Clear As The Driven Snow”みたいな、いかにも西海岸って音もいいなあ。こういう曲があることを知っていれば、見方はすっかり変わっていたはずなのだ。タイトル曲である10. “The Captain And Me”のコーラスワークも、教科書的な三度コーラスながらすごいなあ。Eaglesが「コーラスではDoobieに絶対勝てない」と思っていたというのが納得できる。

Lisa Loebのほとんど新譜と言えるような再発もの(08/01/22発売)

Lisa Loebのメジャーデビュー前の作品である”Purple tape”が、CDとして陽の目を浴びることになったらしい。収録曲の中には、”Do You Sleep,” “Snow Day,” “Train Songs,” “This,” “Airplanes” and “It´s Over.”のように、後にメジャー盤に含まれることになる曲もある。あとは、“Cherries”という、6曲収録のMP3ダウンロードアルバムっていうのも知らぬ前に出ていたのに気付く。CDショップの店頭を見ているだけではダメな、難しい時代になりました。

詳細は、オフィシャルサイトを参照されたし

Silje Nergaard, “Darkness Out Of Blue” (2007)

発売直後に購入したものの、レビューをさぼっていたアルバム。通常盤とミニフォトアルバム付きの限定盤が出たのだが、もちろん私は後者を購入してしまった。ファン心理とは恐ろしいものだ。

さて、ヨーロッパでジャズシンガーとしての地位を気づきつつあるSiljeだが、この作品には、デビュー当時に近いポップシンガーとしての彼女の色が強く出ている。曲はポップだが、バックの連中はジャズとしての解釈で演っているという、とても面白いバランスのアルバムで、そういう意味では一時期のJoni Mitchellっぽい感じもあるだろうか。

2.“How Are You Gonna’ Deal With It”, 4. “Who Goes There”, 7. “The Beachcomber”、8. “When Judy Falls”, 10. “The Diner”など、いい曲がてんこもりだ。

一番気になったのが、タイトル曲でもある11. “Darkness Out Of Blue”。リズムの刻みに、Methenyの匂いがする。締めの12. “Paper Boats”も、すごいなあ。

変な意味で特筆に値するのが3.“Before You Called Me Yours”。これはJoni Mitchellの”Circle game”に酷似していて、わざとやったとしか思えない曲です。

Workshy, “Smile Again” (2007)

5年ぶりとなる新譜が、テイチク系のImperialレーベルから出た。相変わらずの洗練されたサウンドは見事なのだ。しかし、前作”Mood”のように、心奪われるようなものにはなっていない。どうしてだろうかと考えてみたのだが、原因はどうやらChrysta Jonesのボーカルの声域にありそうだ。Workshyのは高音域を売りにしてようだが、前作で私が心奪われたのは低中音域の豊かさだった。この作品は、その中低域を使った曲が非常に少なく、初期作品のように高音域にぶら下がったような曲が多い。これはもう生理的なものだとしかいいようがなく、アルバムの出来の評価の指標としては不適切なものなのだが。

いいなあ、と思った曲は、3.“Publiceye”, 7. “Breakthrough”のあたり。2.“smile”や6.“Call on me”なんかは、初期作品っぽい軽さというか、キラっとした派手さがある曲だ。

白井貴子ミニライブ@横浜日本大通り(2007/11/4)

横浜の日本大通りの仮設ステージであったミニライブに行ってきた。TVK ’07 秋の収穫祭、神奈川県民の役得ですね。わずか30分のステージながら、ナマで白井さんを見たのは7年ぶり、感激なのである。5mくらいの至近距離から見たんだが、意外に小さかったなあ、白井さん。

(ご主人の)本田清巳さんとの二人ステージ、3曲+0.5曲x2が聴けました。“Chance!”, 「元気になーれ」, “stand up boy”がフルコーラス、次のCrazy Horseの再結成盤に入るという“It’s my rock”, 「ふるさとの風になりたい」がワンコーラスずつ、ってとこでした。

非常にゆるゆるのステージなのですが、非常に良かったのです。笑顔キュート系の白井さんに騙されたところはあるのかも。

EPO, “UVA” (1995)

なかなか中古盤屋で遭遇しなかったので、iTune Storeでアルバム単位で購入してしまった。隠れ名盤というのが大方の評価じゃないかと思うのだけれど、僕的には?ですね。

確かに、POPS爆走路線を走り過ぎ、力が抜けたいい歌が聴けるのだ。そこにいるのは、EPOというよりは佐藤栄子さんなのだと思う。しかし、半数の曲がセルフカバーという作りはどうなんだろう?ライブ音源を編集している曲が多いから仕方ないのか?

自分をreconstructしていく作業自体は彼女にとって必要だったのだろう。その作業結果をそのままでアルバムとして世に出し、リスナーを付き合わせるかどうかは別問題じゃないかなあ。本作以降の90年代後半の彼女の作品の良さを知ってしまっているだけに、余計にそう思う。

鈴木祥子、 “Candy Apple Red” (1997)

最初に買った鈴木祥子さんのアルバムが、この”Candy Apple Road”と、「あたらしい愛の詩」 (1999)の二枚だった。もう20年を越えるキャリアの中で見れば、初期のJ-pop女性シンガー路線から、自身の洋楽体験を反映したロック色の強い路線へシフトした時期の作品群。初期ファンの期待を裏切る作品への反響に、自分自身がかなり戸惑ったことを、2009年のライブに先立ったインタビューで語っている。

5年くらい前から祥子さんを聴き始めて僕は、明らかに遅れてきたファンなのだが、このアルバムは本当にすごいんじゃないかという思いが強まりつつある。それは、自分のリスニング傾向を公開しちゃってるlast.fmの個人的なアルバムチャートでもはっきり出てしまっているわけで。

特に印象的な曲がいくつかある。まずは、4. 「恋のショットガン(懲りない二人)」。「女性らしい歌詞だな」と思って聴いていると、S気全開の“もう降参だと言いなさい”というサビに流れ込むという思わぬ歌詞の展開が面白い。そして、音はどうしようもなく、ロックなのだ。個人的には、この曲でのギターが好きなのだが、弾いているのは当時の旦那の菅原弘昭さん。

9.“Shelter”は、何とも言えない澱みがある曲だ。こういう曲を書き切れる、演り切れる、というのが、祥子さんのスゴミなのだと思う。

11. “Angel”も大好きな曲。ポップなメロディーと自然体の歌詞ながら、とても大事なことを伝えているように思える。作詞は小倉めぐみさん。しかし,本人が書いていたとしてもまったく違和感がないその歌詞は、今に至るまで続く「なにかを見失ったまま、さまよいながら、でも進み続けている」鈴木祥子ワールドそのままだからと僕は感じる。あなたの”胸の中の天使”は、あなたにどう生きろとメッセージを送っていますか?

12.“River’s end”は、のちのライブ盤のMCで、自分が生まれ育った下町のことを歌ったと語った曲。忘れるために生きているというくだりも、のちの「忘却」あたりにつながる世界だ。

その他、3. “Sulky Cat Strut”あたりも、決して好きでは曲調でないにも関わらず、「器用だなあ」と思ってしまう。単純なようで実はメロディーの作りが面白いのは8.「君の赤いシャツが」。13.「ぼくたちの旅」は、珍しく前向きな歌詞なんだけど、曲のキレがいいのでやはり大好きな曲。

そしてそして、この人の天才ぶりを示す一曲が7. 「3月のせい」だと思う。私の拙い言葉をどう書き連ねようとこの壮絶な世界を説明できない。ぜひあなた自身が聴いてみて下さい。

鈴木祥子、「あたらしい愛の詩」 (1999)

本作は、80年代洋楽へのオマージュみたいなキャッチコピーがついていたと思うのだけれど、なるほどそれらしい仕上がりだ。1. 「この愛を」を書いたときに彼女の頭にあったのはBruce Hornsbyの”The way it is”だったに違いない。“二人はとても似ていたので恋することは簡単でした”から始まる歌詞も絶妙で、実らなかった若き日の自分の恋を思い出すのだった。
もう一曲佳曲を挙げておくと5. 「愛は甘くない」だろう。メロディーの運びも佐橋氏のギターも自然で心地よく、なにより文体を変えて“愛は甘くないんである”と歌詞を締め括るセンスが大好き。必聴。

「この愛を」のライブ画像@YouTube↓

渡辺美里ライブ@横浜新港埠頭 (2007/7/29)

ある日妻から「これ行っておいでよ」と手渡されたのは、横浜・新港埠頭での渡辺美里のライブのチケットだった。20年続いた西武スタジアムでのコンサートに一昨年区切りをつけての、新たな夏の定期ライブらしい。86年の第一回から何年か西武スタジアムに通った僕としても、15年ぶりくらいの彼女のライブだ。で、どういうライブだったかというと・・・

美里さんはほんとに上手くなったなあ、という印象。高音域の伸びは、さすがに落ちたか。大江千里系の曲の人気は根強く、小室系の曲は”My Revolution”を除くとさっぱり、ということもわかった。しかしもっと面白かったのは、観客ウォッチ。「君達、渡辺美里以外の音楽をほとんど聴いてないでしょ」という感じで、宗教の集会にまぎれこんでしまったかのようだった。問題発言なのは承知で書くが、このファンが20代までの彼女を育て、このファンが30代以降の彼女を駄目にしたのだと痛切に思う。(自分も含めてだが)アーティストを育てられるような実力はないファン層だったということだ。白井貴子さんとかEPOとか、僕が今いいなあ、と思うベテランたちは、良くも悪くも古くからのファンを裏切るような、音楽的な大転換をしている。成長しないからついてくる、あるいは成長することで離れていくファンより、成長してもなおついてきてくれるファン・成長したからこそ新たに付くファンを大事にすれば、きっと違う展開があるのに。

しかし20年前に高校生くらいだった彼ら・彼女たちが子連れで来てるのを見ると感慨深い。僕が一緒にスタジアムライブに行っていた人たちとは音信不通になって久しく、既にこの世の人でなくなっている人さえいる。そう考えると、僕があの日見ていたのは、渡辺美里でも観客でもなく、きっと自分自身のこの20年だったんだろうな。

エプソン 品川アクアスタジアム

品川プリンスホテル内のエプソン品川アクアスタジアムに行ってきた。もちろん目当ては、ダメイルカのラッキーである。予想以上に芸が出来るのにびっくり。もっと極端にダメダメなやつかと思っていたのだが、マスコミの作るイメージに惑わされていたかなあ。しかし、長い目で見てやりたいヤツです。

Norah Jones. “Not too late” (2007)

Norah Jonesの三作目。売れているようだが、どうにも私にとってはつまらない作品。なぜそう感じてしまうかと言えば、アメリカンルーツミュージックに寄り過ぎて、ジャズっぽさが薄れたのが原因じゃないかと思う。“Thinking about you”はいい曲だと思うが、オリジナルだというのに、どうも誰かの(The Bandあたりかな?)カバーのような気がしてしまうのだよね。

地震お見舞い

3年前の今頃まで住んでいた石川県で大地震があった。加賀地方の震度はそれほどではなかったようだが、たびたび訪れた能登地方にはかなりの被害があるよう。長い冬の間、空を低く覆っていたどす黒い雲が消え、一番いい季節になる頃にこんな事が起こるというのも皮肉。

物的被害のわりに人的被害が比較的小さいことから、過疎で苦しいんだろうな、というのが逆に伝わってもくるわけで。ここ一週間ばかり問題になっていた臨界事故隠しの件ともあわせて、複雑な心境です。

荒井由実、ハイファイセット 「卒業写真」

例年この時期になると、「卒業写真」のキーワードから検索して、このサイトを訪れる人が急増する。ハイファイセットのデビュー盤として発売されたのが1975年2月5日、ヒットから間が浅かったぼくらの時代はそんな事態にはなっていなかったのだけれど、30年以上の時を経て学校教育では定番の合唱曲なんかにもなってしまったようだ。荒井由実バージョンは、バックのアレンジが秀逸。ハイファイセットバージョンは、やはり新居潤子(山本潤子)さんのボーカルが素晴らしい。

『あのころの生き方をあなたは忘れないで』というフレーズがこの曲にある。今日の午後、中学時代の同級生の訃報を伝えるメールが回ってきてた。全国紙の「おくやみ」欄に訃報が出るまでに有名人になった彼は、他の同級生たちのような収まり方とはほど遠いところで、決して平坦ではない人生を太く短く駆け抜け切ってしまった感がある。札幌を離れてから会ったのは一度だけ、新宿で集まって飲んだのは7-8年前だったろうか。彼の「あの頃の生き方」と、現在がどうつながっていたのだろう、とふと考え込む。彼の冥福を祈りたい。

LANPA, 「水の上のPEDESTRIAN」 (1990)

平松八千代さんが在籍していた、いわゆる「イカ天バンド」の一つ。あの番組としては異色な大人系バンドだった。最も印象に残っていたのは、タイトル曲でもある、2. 「水の上のPEDESTRIAN」。CDを当時保有していたわけでもなく、ほんの数回しか聴いたことがなかったにも関わらず、このメロディーの運びは覚えていた。あらためてCDで聴いてみると、アレンジが泣きそうなほどつまらないのだけれど。他には、1. “LOCH SENU”なんかを聴くと、なんかPat Methenyっぽいなあ、ということがいきなり頭をよぎる。彼がこの曲で求めた音の拡がり感がメセニーっぽいものだったんだと思うのだけれど。あとは、10, 「あの時の私達は」あたりもいい曲かな、と思う。これにはFleetwood Macあたりが思い起こされるかなあ。正直なところ、全体的にはそれほど面白いアルバムではありませんでした。

しかし、八千代さんのボーカルは、この作品ではまだちょっと不安定が感じられる。Soyの時代に向けて歌唱力がすごくアップしたんだな、と感嘆。

Journey, “Frontiers” (1983)

高校卒業の春を猛烈に思い出すアルバムだ。アメリカ発売が2月で、日本発売は5月だったとwikipediaにはあるのだけれど、ベストヒットUSAなんかでは早くからオンエアされていたせいだろうか?

1. “Separate Ways (Worlds Apart)”が売れていました。ディスコでこの曲ががかかっていた記憶があるんだけれど、あれは札幌だったのか?東京だったのか?5. “Faithfully”(邦題:「時への誓い」)は、いいロックバラード。ロードムービーっぽいビデオクリップだったのが思い出される。2. “Send Her My Love”も耳にこびりついてる感じなんだよなあ。ハードロック趣味ではなかった僕の記憶にさえ残るのだから、やはり名盤なのでしょう。

The Eagles, “One Of These Nights” (1975)

イーグルスがハード路線へと舵を切り出した作品。でも結構好きで、大学時代に良く聴いていた(もちろんリアルタイムではない)。タイトル曲である1. “One Of These Nights”のコーラスにはやられました。3. “Hollywood Waltz”のペダルスチールにも、はまったものだ。4. “Lyin Eyes”なんて、ウエストコーストサウンドの教科書的な乾いた音だ。5. “Take It To The Limit”は代表的なヒット曲。8. “After The Thrill Is Gone”とか9. “I Wish You Peace”も好きだったなあ。この手の音の話で盛り上がった、一緒にバンドをやっていた友の顔を思い出す。彼が亡くなってもう10年以上が経つんだな。

The Eagles, “The Long Run” (1979)

最初の解散の際に残した一枚。初期イーグルスファンの私としては、どっぷりひたる部分の少ないアルバムではあります。その中でも記憶に残るのは、やはりTimothy B. Schmitの 2. “I Can’t Tell You Why”。昔から好きな曲だ。3. “In The City”のさびの部分のコード進行も好きだったなあ。10. “The Sad Cafe”もアルバムを締めるにふさわしい佳曲。

The Eagles, “Desperado” (1973)

これが二枚目。初期Eaglesを代表する一枚。私は非常に好きです。やはり極めつけは.5. “Desparado”でしょう。ロックバラード史上に燦然と輝く名曲だ。

1. “Doolin Dalton”もいい曲。ブルーグラスあがりの私としては、2. “Twenty-One”も外せない。MuleskinnerでのClarence Whiteのプレイをぱくったとしか思えないイントロが笑える。いかにもランディマイズナーだなあ、という6. “Certain Kind of Fool”も好きな曲だ。

The Doobie Brothers, “Minute By Minute” (1978)

The Eaglesと共に70年代後半のウエストコーストシーンの双璧をなしたグループ。これは後期作品で、Steely Dan流れのMicheal McDonald色の強いアルバムだ。2. “What A Fool Believes”が傑出した名曲。このコーラスワークは、本当にすごい。タイトル曲である3. “Minute By Minute”もやはりすごい。10, “How Do The Fools Survive?”もいいねえ。音が初期Doobieほど単純ではなく、ちょっと難しいところはあるかもしれないが、AORの名盤と捉えておけばよいでしょうか。

Chantal Kreviazuk, “Under These Rocks And Stones” (1996)

久々に引っ張り出して聴いてみると、なかなかすごい人です。優れた女性SSWを輩出しているカナダの出身で、これがデビューアルバム。1. “God Made Me”を聴くと、「オルタネだねえ。ぶちぎれ加減が足りないAlanisかねえ」とか思うのだが、一転してきれいな音の運びの2. “Surrounded”なんかが続いたりすると、「こいつ、すごいかもしれん」と思わされるのだ。3. “Don’t Be Good”あたりにはLisa Loebっぽい自由さを感じてみたり。6.“Imaginary Friend”, 10.“Actions Without Love”もいいバラードだ。こうやって聴きなおしてみると、(Joni MitchellとかRickie Lee Jonesほどではないにしろ)音楽性の幅広さに驚きの一枚。二作目以降をなぜフォローしていなかったのかとひたすら後悔、私的CD want listの筆頭に一気に躍り出ました。

The Byrds, “Byrdmaniax” (1971)

私のギターアイドルClarence Whiteなどの加入で大きくカントリーロック路線へ舵を切ったThe Byrdsの後期作品の一つ。1. “Glory, Glory”は、やはり名曲なんじゃないでしょうか。もう一つ言及しておきたいのが、Jackson Browneのデビュー盤にも収録されていた“Jamaica say you will”。JB版でのClarenceのギターには本当に泣けるが、このThe Byrds版もなかなかのものだ。JBファンに取っても聴く価値のある一曲。

The Byrds, “Mr. Tambourine Man” (1965)

フォークの神様Bob Dylanの曲をロック編成で演ずるというデビューの仕方で、Folk Rockという新分野を開拓したのがThe Byrds。自分が生まれた年のアルバムだと思って聴くと感慨深い。1. “Mr. Tambourine Man”は言うまでもなく彼らの代表曲。12弦エレキのイントロからして既に格好いいし、コーラス部も格好いいよね。しかし、個人的には正直ピンとくるのはこの一曲のみ。高校時代にベスト盤を聞いていた後遺症だろうか。

Buffalo Springfield, “Again” (1967)

Neil Young, Stephen Stillsを擁した’60後半の西海岸バンド。その影響は、はっぴいえんどを通じて、日本の音楽界にも色濃く残る。ロック史を語る上で避けては通れないバンドの一つ。

アルバムは、Neil Youngの“Mr. Soul”から始まる。1982年のテクノ志向で知られるいかれたソロ作”Trans”でも再演していた曲だ。2. “A Child’s Claim To Fame”あたりは、後にpocoの結成に参加するRichie Furayらしいカントリーロックナンバー。5.“Bluebird”, 9, “Rock & Roll Woman”はStephen Stillsらしい曲の作り。CSN&Y以降よりは、彼はこの時代の方が格好良かったんじゃないかな。10. “Broken Arrow”は、Neil Youngの農場の名前にもなった曲。わざとらしい組曲作りがほほえましい、いかにも初期Neil Youngっぽい曲だ。

The Carpenters, “Gold-Greatest Hits” (2000)

1970年代を中心に大ヒットを連発した伝説の兄妹デュオThe Carpentersのベスト盤。いわゆる「ポピュラー」に分類されるものなので、ロックファンとしてはこれを語るのは気恥ずかしいところもあるのだけれど、やはりKaren Carpenterは不世出・別格の女性シンガーである、と言うのが結論だ。NHK-BSで見たカーペンタース特番で、Richard CarpenterはインタビューでKarenの声をPhonogenic(レコードに乗りやすい)と表現していたけれど、とにかく厚いというか、豊かというか、特に低音域であらゆる倍音成分がほどよくブレンドした声なのだ。

それぞれの人が、それぞれの曲に対していろんな思い入れを持っていることと思う。私は、1. “Yesterday Once More”, .2. “Superstar”, 3. “Rainy Days And Mondays”, 14. “(They Long To Be) Close To You”, 19. “Sing”あたりが、ポップス史を語る上で忘れることの出来ない不朽の名曲だと思う。決して「面白い」と思うような曲ではないのに、「でもやっぱりいい曲」と認めざるを得ないところが、カーペンターズがカーペンターズたる由縁で、長い間人々の心をひきつけている原因なのだと改めて思う。

Billy Joel, “The Stranger” (1977)

今さら何を書くまでもない大御所Billy Joelがブレークを果たした一枚。洋楽に興味なんてさらされない中学生の耳にでさえ、このアルバムからのヒット曲は容赦なく耳に飛び込んできたものだ。

タイトル曲の2. “The Stranger”はよく知られているが、何と言ってもこの一枚を代表する一曲は3. “Just The Way You Are”だろう。私のiTuneでのratingは文句なしの五つ星。ロックバラードを語る上で、歴史上欠かせない一曲であると断言できる。4. “Scenes From An Italian Restaurant”も佳曲。

加藤いづみ、「好きになって、よかった」 (1993)

それなりにヒットした曲だったと思うのだけれど、オンタイムでの記憶がない。アメリカに渡った直後の1995年春、「北の国から ’95 秘密」のビデオを日本から送ってもらい、郷愁心をそそられながら見ていた。その中の雪印のCMで使われていたのがこの曲。どうにも気になり、LAまで買出しに行ったときに”Sweet Love Songs”というアルバムを仕入れた。アルバム自体はとてもつまらなかったが、この曲だけはやはり別物。未だに時々聞く曲だ。

’07/03/03の購入リスト

Tower Records (横浜駅西口)

1. Norah Jones, “not too late” (2007)
2. Rickie Lee Jones, “the sermon on exposition boulevard” (2007)

決定的ではないものの、中途半端に買いたくなる新譜が目白押し状態で困ります。今日はダブル・ジョーンズでのお買い上げとなりました。

Bill Evans Trio, “Waltz For Debby” (1961)

一言で言って青春の音です。雪解けの札幌でこのアルバムを教えてくれたあの人は、今も元気でやっているのだろうか?一時期ピアノ譜を買って一生懸命練習したけれど、中学時代にようやく到達したソナチネで沈没した私にはやはり無理でした。

1. “My Foolish Heart”は本当に本当に名曲だ。2. “Waltz For Debby”は、人類の宝だ。「お前が思うこの世で美しい曲を三つだけ挙げろ」と言われたら、この一曲は必ず入ってくる。4. “My Romance”もいい曲だ。筆舌に尽くしがたいというよりは、この一枚について書こうとする自体ことが失礼だと自分で思ってしまう、そういう作品。

Original Soundtrack, “FM” (1978)

FM局を舞台とした映画“FM”のサウンドトラック。映画自体は後世に残るようなものではなかったが、サントラだけはその豪華顔ぶれから生き残っているという作品のようだ。二枚組CDもの。下の通り、「ごめんなさい」と平伏すしかない選曲です。

Original Soundtrack, “No Nukes” (1979)

西海岸系のアーティストによる反原発コンサート。下に示すようなメンツなので、聞かないわけにはいかないアルバム。これは映画にもなって、東京に出たての頃だったろうか、レーザーディスクを上映する渋谷の飲み屋までわざわざ見に行った記憶がある。しかし、選曲のせいだろうか、メンツの割には正直面白くないアルバムだと今になると思う。しいてお勧めするのは The Doobie Brothers with John Hall & James TaylorというメンツでのJohn Hallの名曲、5. “Power”だ。

Woodstock, Bangladesh concert, No Nukes, Live Aid…….ロックで時代が変わると信じてられていた熱気も今は昔。

Anna Nalick, “Wreck Of The Day” (2005)

Billboardアルバムチャートで20位まで行ったデビュー盤。いい若手ロックシンガーだ。1. “Breathe (2 AM)”は最初にシングルカットされた曲だが、やはり良い。.3. “Paper Bag”, 6. “In The Rough”, 9. “Bleed”あたりも非常に好きな曲調。4. “Wreck Of The Day”はタイトル曲だが、クラシックロックの要素をしっかり消化した妙に惹かれる仕上がりとなっている。84年生まれだからアルバム発売時は21歳。周りが作ってくれた音、という要素がまだまだ強いだろうが、これからどう化けていくかが楽しみなアーティストの一人だ。

Angela Ammons, “Angela Ammons” (2001)

デビュー当時17歳。Michelle BranchやAvril Lavigne的なガールズロックと捉えておけばいいのだろうか。しかし、良いpop-rockを聞かせてくれる。1. “Big Girl”や、2. “When It Doesn’t Matter”あたりは、単純に「いい!」と思える。アップテンポな曲は歌いきれるが、スローな曲はからっきし、というのが若いシンガーの定番だが、4. “Someday Soon”みたいなスローな曲でもしっかり歌いきって馬脚を現さないところは見事。

Ana Martins, “Linda” (2001)

勉強しようと思いつつ全く追いついていかないボサノバ。そんな私にも、この一枚は一味違うとわかる。バックアップミュージシャンのテクニックによるところが大きいのだと思うが、「すごい音を聞かされている」って思いに囚われるのだ。3. “Tardes Cariocas”, 4. “Ninho De Vespa”あたりが特に強烈で印象に残る。かと思うと、4. “Bewitched [Encantada]”や、11. “Saudade Fez Um Samba”は、肩の力が抜けたいい曲。夏の昼下がり向きだ。

Airplay、”Airplay” (1980)

AORの名盤中の名盤と言われる一枚で、私ごときが多くを語らない方が良さそう。とにかく音作りの緻密さは完璧だ。1. “Stranded”, 2. “Cryin’ All Night”と、ゾクゾクする音の作り。5. “Should We Carry On”のようなバラードも完璧なのだ。一番好きな曲は、9. “She Waits For Me”かな。

The Alan Parsons Project, “Eye In The Sky”(1982)

これも掛け値なしの名盤。ビートルズの”Abbey road”を代表作とするスタジオエンジニアだったAlan Parsonsを中心としたイギリスのグループ。プログレ系に分類されることも多いが、このアルバムはAOR色が強い。

なんといっても、2. “Eye In The Sky”が名曲。“I am the eye in the sky looking at you, I can read your mind”なのだ。5. “Silence And I”はセイコーかどこかのCMで使われていたような気がする。10. “Old And Wise”も印象深い曲だ。

LINDBERG, “LINDBERG III” (1990)

えー、こういう趣味があったとカミングアウトするのも恥ずかしいのですが、Lindberg好きでした。ロックと言えば洋楽・歌謡曲と言えば邦楽という時代から、ロックが邦楽の中でマーケット的に自然に受け入れられていった80年代後半からのシーンで、Lindbergとかアンルイスとか言った歌謡ロックの役割ってのはそれなりにあったと思うのだ。ボーカルの渡瀬マキはアイドル歌手としてデビューしたのち、Lindbergのボーカルとして再登場することになった経歴を持つ。ぶっきらぼう唱法はパーソンズっぽくもあるのだけれど、上手くもなく下手でもなく、でもいい味を出していたと思う。

最大のヒット曲は3. 「今すぐ Kiss Me」で、この疾走感は好きだったなあ。他には、1.“LITTLE WING”, 8. “YOU BELONG TO ME”あたりのアップテンポな曲がよいのだ。スローな曲になると、どうしても出来の悪い歌謡曲になってしまい、いまいち。

Ivy, “In the clear” (2005)

5作目。ジャケットは飛行機の窓、タイトルと相まって面白い。いつのまにか、ギターサウンドへ回帰している。2. “Thinking About You”, 4. “Tess Don’t Tell”, 6. “Corners Of Your Mind”あたりのギターサウンドの疾走感と、へなへなしたボーカルのアンバランス感はThe Cardigansを彷彿させて面白い。一方で、9. “Ocean City Girl”, 10. “Feel So Free”あたりのスローな曲も結構良いのです。

Ivy, “Long Distance” (2000)

3年のブランクを経ての三作目。アレンジが”ApartmentLife”のあたりとは少し変わり、ギターは奥に引っ込んだ。ある種Swing out sisterっぽくなったかも。おしゃれ系ポップスですかね。邦楽で言えば、The Indigoのような音といえばいいだろうか。アメリカでの発売は2001年で、日本では2000年に先行発売されたようだ。

気になる曲は、3. “Edge Of The Ocean”, 6. “Lucy Doesn’t Love You”, 9.“Midnight Sun”のあたり。4. “Blame It On Yourself”, 13. “Digging Your Scene”あたりの、前作っぽいギターサウンドも良い。

Ivy, “ApartmentLife” (1997)

IvyはNYCを根城とするバンドで、これはそのIvyの二枚目。いいギターポップバンドだと思う。ボーカルのDominique DurandはパリからNYCへ語学留学中にバンドに合流したそうな。決して上手いボーカリストではないが、サウンドとはよくマッチしている。

1. “The Best Thing”とか、4. “I Get The Message”あたりはThe Cardigansあたりのスカンジナビアン・ポップロックと共通の匂いがする私好みの音。9. “Get Out Of The City”あたりの疾走感は、(ボーカルの線はJennie Medinと比べると圧倒的に細いけれど)むしろCloudberry Jamっぽいかな。

Fleetwood Mac, “Mirage” (1982)

言うまでもなくスーパースター揃いのバンドだが、Christine McVieとStevie Nicksの二人の名女性ボーカリストを抱えていた。(何度も書いているが)1982年というのは私にとっての洋楽元年であり、”Best Hit USA”で盛んに見たこのアルバムからのヒット曲のビデオクリップは忘れがたいものがある。

私が好きだったのは、実は女性ボーカリストものではない9. “Hold Me”だ。このピアノのイントロと、さびのコーラスは何とも言えないなあ。大ヒットとなったのは、Stevie Nicksがリードを取った5. “Gypsy”。でも、今となっていいなあと思えるのは、Christine McVieがリードを取った6. “Only Over You”だったりする。

Julia Fordham, “Swept” (1991)

これも良いアルバム、大人の音です。1. “I Thought It Was You”, 2. “Patches Of Happiness”, 3. “Swept”, 4. “Rainbow Heart”とアルバムの前半は外れなしの隙のない出来。 8. “As She Whispers”あたりは個人的には好きな曲調ではないけれど、すごいということはわかる。10. “Tied”で、ずっしり重いバラードを歌い上げて静かにアルバムの幕を引いていくのです。

Julia Fordham, “Porcelain” (1989)

これが二枚目なのだと思うが、ややうるさい音作りだった一枚目からうって変わって良い大人の音に仕上がっている。ボーカルの良さをフルに引き出して、広がりのある音世界を作るアレンジが光る。

タイトル曲である2. “Porcelain”はさびのメロディーが何か他の曲とそっくりなのだが思い出せない。でも、良い曲だ。Juliaのボーカルの良さがフルに引き出されている。6. “Manhattan Skyline”はメロディーもいいし、開放弦を多用したアコースティックギターのストロークも良い。8. “Towerblock”はスローバラードだが、サビで高音に抜けるフレーズを柔らかく唄いきっているあたりは圧巻。9. “Island”も深みのあるいい曲。

白井貴子、”Marguerite River” (1995)

Unplugged系のスタジオライブによる秀作。2000年の夏に富山県福光町で見たライブがこのような軽い編成でのサウンドで、非常に良かったことを思い出してしまった。「癒し系転向」みたいな書き方もあるかもしれないが、”Living”, “Hana”へ繋がっていく自然体の白井さんが実感できるアルバムだと思う。

出色の出来は、6. 「抱きしめて」だろうか。1993年の”Baby Face”にも収録されている曲だが、このアコースティックバージョンはすごいなあ。7.「遠い日の幻に聞いた」も、じっくり歌いこんできて心に響くのだ。2. 「北風」みたいな歌を歌えるようになったのも、「学園祭の女王」から等身大の白井さんへの転身の苦闘の結果だと思うと、ぐっと来るものがある。お勧めの一枚です(なかなか出くわすことも少ないとは思うが)。

白井貴子、”Pascal” (1983)

ジャケットのパステルカラーと白井さんのおみ足につい目が行きます。EPOの”High touch, high Tech”のジャケットと似たような構図。歌謡ロックンロールですかねえ、これは。確かに当時はこういう音がもてはやされた記憶はありますが、曲名が”ドキドキBy My Side”とか”愛がなければ-愛’m down-“ですもの。気の毒な作品です。

白井貴子、”Good to be wild” (1993)

6曲のみのミニアルバムだが、これも白井さんの転換期の秀作。これ以前の「ロックンロール+高音域ぶら下がり絶唱」路線から、現在の「ソフトロック+中低音域唄い込み」路線の中間に現れた、「中低音域ロック」路線とでも言っておきましょう。6. “Desire”あたりは以前の芸風がだいぶ残っているものの、アコースティックギターのカッティングが心地良い1. “Come Together”や、無理なく曲の最後まで爆走しきる3. 「ワイルドに行こう!」あたりがよろしい。

Steve Morse, “High Tension Wires” (1989)

ハイスピードな疾走系ロックインストを得意とする、スポーツニュースの挿入曲御用達ギタリストのSteve Morseであります。この当時は「元Dixie Dregs, Kansasの」で説明がついたのですが、今や「Deep purpleの」という大御所様になってしまわれた。思えば私が初めて買ったCDがこの一枚、感慨深いものがあります。1. “Ghostwind”のPat Methenyっぽさには驚いたものです。しかし一番驚いたのは、やはり8. “Tumeni Notes”のひたすらオルタネティブピッキングによる速弾きでしょう。ワンフレーズが長いのだ。ちょっと速いパッセージを入れるとか、ハンマリング・プリングで速いように聞かせるというのとは全く訳が違います。5. “Third Power”や9. “Endless Waves”は、今でも好きな曲。

Bread, “Anthology” (1985)

Breadは1970年代前半に活躍したコーラスが売りのアメリカのグループだ。これはそのベスト盤。CSN&Yっぽくもあり、Bee Geesっぽくもありだが、ロックっぽさは非常に薄い。大学時代やはりベスト盤を買って聞いて、しばらくはまった時期がある。

1. “Make It With You”は、アコースティックギターのカッティングとストリングがかぶるという教科書的なソフトロック、大好きな曲だ。この曲はビルボードで一位を記録しているらしい。10. “If”は彼らの代表曲のバラード。いろんなこと思い出してしまうんだよなあ。泣けるって訳でもないんだけど。

07/02/13の購入リスト

池袋パルコ8F特設会場

1. k.d. Lang, “All you can eat” (1996)
2. ランパ、「世界の秘密」 (1992)
3. 白井貴子、”Marguerite River” (1995)
4. Belinda Carlisle, “A woman & a man” (1996)

出張帰りにちょっと寄り道。決して安くもないけれど、意外に掘り出し物ありました。

Belinda Carlisle, “Real” (1993)

真っ白なカットソーにジーンズでのナチュラルな立ち姿のジャケットに心奪われる一枚。Go-Go’s的なサウンドの1. “Goodbye Day”からいきなりのベリンダワールド炸裂。肩の力が抜けた感じがたまらない。2. “Big Scary Animal”, 3. “Too Much Water”もいいなあ。6.“One With You”は、どことなくDuran Duranなんかを思い出すメロディーの運び。10. “Here Comes My Baby”も良いロックバラード、いい曲で締めてくる。総じて、決して上手くも美声でもないけれど、なぜか惹かれる一枚です。

Belinda Carlisle, “Runaway Horses” (1989)

これは実は名盤じゃないかと思う一枚。1. “Leave A Light On”から、pop-rockの王道を行くような曲。この曲でスライドギターを弾いているのは、今は亡きGeorge Harrisonらしい。2. “Runaway Horses”も自然体のいい曲に思える。4. “(We Want) The Same Thing”も名曲。「じゅわいよ・くちゅーるマキ」のCMで使われていたのだ。5. “Deep Deep Ocean”も、ストレートなロックでいいなあ。7. “Whatever It Takes”も、いかにも80年代らしい良いロックバラード。

The Cardigans, “Emmerdale” (1994)

「The Cardigansだねえ、Scandinavian Pop-Rockだねえ」、という以上の感想がなかなか出てこない一枚。6. “Over The Water”, 7. “Rise & Shine”, 12. “In The Afternoon”あたりはちょっといいかな。全然レビューになっておらず、申し訳ない。

“My favorite female singers”中のThe Cardigansのページ

The Eagles, “Hotel California” (1976)

The Eaglesといえば、”Hotel California”という人が大半だろう。私はむしろ初期Eagles派なのだが、これはやはり名盤だと思う。

1. “Hotel California”のアコースティックギター・ツインリードにはやはり鳥肌ものだ。はじめてLAに行ったときは見に行きました、The Beverly Hills Hotel。改装中だったが・・・。いかにもGlenn Freyっぽい3. “The Last Resort”, 6 “Wasted Time”も好きな曲だ。8. “Life In The Fast Lane”も後期Eaglesを代表する曲。9. “New Kid In Town”もいい曲だ。このハーモニーはやっぱりすごいな。

確かにいいアルバム。しかし強く思い入れる一曲に欠けるかな、というのが総括。

Dreams Come True, “Love unlimited” (1996)

“Love Love Love”の一曲しか聞くつもりもなく、250円で仕入れたアルバム。

だいたい、私は恥ずかしくてドリカムなんて買えないのだ。なぜそういうことになるかと言えば、やはりデビュー当時の印象だろうか。バンドのコンセプト・アルバムタイトル・ジャケット・音の作り・全てが、ちょっと先発のイギリスのグループSwing Out Sisterをぱくっているように思われた。この見方はあながち外れてはいないと今でも思う。しかし、その後ドリカムは高い音楽性を発揮して、邦楽として輝かしい独自の地位を築くに至ったのは言うまでもない。

さて、この”Love Love Love”, 1995年の年間チャート1位曲で、掛け値なしのバラードの名曲だ。この年アリゾナに居て日本にいなかった私がなぜこの曲に思い入れが深いかといえば、日系の貸しビデオ屋で借りて見ていたドラマ「愛していると言ってくれ」の主題歌だったから。トヨエツも良かったが、やはりこの時期の常盤貴子は良かったなあ。

で、ここで連想してしまうのが、(前出の)Swing Out Sisterの“Now you’re not here”だ。この翌年だったか、常盤貴子は「真昼の月」というドラマでも好演している。その主題曲だったこの不朽のバラードの名曲である。

長くなったが、結論は、「”Love Love Love”と”Now you’re not here”の二曲は、常盤貴子とバンドカラーの類似性で、私の頭の中ではがっぷりとリンクされている」である。

’07/02/03の購入リスト

BOOKOFF 港北茅ヶ崎店

1.Eagles, “Hotel California” (1975)
2.The Cranberries, “Stars, The best of 1992-2002” (2002)
3.The Cardigans, “Emmerdale” (1994)
4.Dream Come True, “Love unlimited” (1996)
5. 大貫妙子, 「ニュー・ムーン」(1990)

なんで今さら”Hotel California”なんだ?とは聞かないで。「貸しレコード屋」の時代にカセットに落として以来、CDでは購入してなかったのだ。

Julia Fordham, “Falling Forward” (1994)

まるで80年代のJoni Mitchellじゃないか、と思ったら、(当時の)Joniの旦那のLarry Kleinプロデュースだったという一枚。また、声質も似ているのだ。この人の声には特徴があって、好き嫌いも激しく分かれるようだが、僕は好きだな。

1. “I Can’t Help Myself”、8. “Love & Forgiveness”あたりが、特にJoni Mitchellっぽいつくり。タイトル曲の3. “Falling forward”のさびのあたりはすごい。9. “Honeymoon”は、ピアノ(+うっすらストリング)のバックに、圧倒的な歌唱力で歌いこんでくる曲で、素晴らしいのだ。6. “Different Time, Different Place”あたりも好きかな。アルバムを締める11. “Safe”も素晴らしいバラード。

Joni Mitchell, “Hejira” (1976)

これはすさまじいアルバム。邦題は「逃避行」。まず、1. “Coyote”から涙ものだ。Jaco Pastorius(当時Joniと交際していたはず)のベースがすさまじい。Guitar/Bass/Percussionだけのトリオなんだけど、この音世界はいったいなんなのだろう?2.“Ameria”もすごい。3. “Furry Sings the Blues”のコードワークあたりは、80年代のJoni作品の先駆け的だなあ、とも思う。表題曲の5. “Hejira”では、無性にアメリカ時代を思い出してしまう。この曲をカーステで聴きながら、夜の街を車で走っていたなあ、と。この曲でも、Jacoが壮絶。7. “Black Crow”は、歌い始めからどきっと来る。9. “Refuge of the Roads”は、メロディーのつくりは初期作品的なんだけど、音の作りは中期作品的、おもしろい世界になっている。

まとまりのない文章になってしまったが、絶対の必聴盤。買うべし。

America, “Hideaway” (1976)

このアルバム、絶対にLPで保有していたという自信がある。しかし、聴き始めてもまったく覚えのある曲が出てこない。とても、ヒット作”Hearts”(1975)の翌年の作品と思えない、つまらない出来。

そう思いながら聞いていると、一曲だけ覚えのある曲があった。Dan Peekが書いた10. “Today is the day”だ。この曲は好きだったなあ。

’07/01/20の購入リスト

HMV 渋谷店

1. America, “Heart” (1975)
2. America, “Hideaway” (1976)
3. Joni Mitchell, “Hejira” (1976)

Americaの再発盤二枚と遭遇。三枚買うと25%オフだというので、want listに入っていたJoniの一枚を購入。

福藤、ついにNHLでプレー

いや、めでたい。このことは書き記しておかないわけにはいかない。NHLのLA Kingsの福藤選手が、滞氷時間19:17を記録したとのこと。Kingsが負けた試合なので最後の43秒がパワープレーだったのだろう、要するに1ピリオド完遂。先日の昇格時には氷に乗らずにマイナーに戻されたのだが、今回は違った。EHCLからスタートして、AHL昇格と辛抱強く頑張ったのが報われたのだろう。

しかし、NBAのPhoenix Sunsでプレーした田臥といい、確実に日本人プレーヤーが北米のプロスポーツに進出しているのには、隔世の感がある。私が渡米した1995年は、マスコミからさんざんバッシングを受けた野茂が、追われるように渡米してLAでプレーを始めた年。ホッケーファンだった私は、最初に見たマイナーにさえ「これは日本人には無理な世界だわ」と思って打ちのめされ、地元にNHLのPhoenix Coyotesが来てからはそれこそ夢見心地でリンクに通ったものだ。

まさか、国内リーグのレベルが落ちてしまった今の時点で、日本人NHLプレーヤーが誕生するなんて思ってもいなかった。心から喜びたいと思う。

私のサブサイト East and West, Snow and Desertの中のProfessional Hockey観戦記

’07/01/02の購入リスト

Tower Records (横浜駅西口)

1. America, “Silent letter” (1979)

レコファン(横浜駅西口)

1. Shelby Lynne “Identity crisis” (2003)

Americaの”Silent letter”の価格で一言。数ヶ月前に別レーベルから再発された価格が2940円。ファン心理の足元を見た価格だなと、歯を食いしばって手が伸びそうになるのを耐えていたところ、東芝EMIが1500円という価格でこれを出してきたのを店頭で発見。

Livingston Taylorなども最近大量に再発されてきたが、1500-2000円くらいの価格帯。ぜひとも、これくらいの価格帯を標準とした再発を願いたいものだ。セールスを期待できないものについては、コレクターもリスクをシェアしてくれ、という思想もわからないではないですが。

あけましておめでとうございます

昨年は、親サイトである“My favorite female singers”の更新をほとんどしなかったわりに、多くの方々からアクセスしていただきました。2006/1/1-12/31のアクセス件数は、以下のとおり。漸減傾向が続いており、ちょうどユニークアクセスが100件/日で、辛うじて大台達成です。しかし、訪問者平均3ページ閲覧に達していないのはちと淋しいか。

トータルアクセス数 93907 (2004: 121318, 2005:104818)
重複を除いたユニークアクセス数 36580 (2004: 49241, 2005: 42273)

ちなみに、2006/9/1-12/31の検索語数は以下の通りで、白井貴子さんが山本潤子さんを抜いてしまったのが昨年の特徴でした。

1. 白井貴子 1329
2. 山本潤子 1207
3. 渡辺美里 610
4. Silje Nergaard 285
5. Leigh Nash (Sixpence none the richer) 245
6. Lene Marlin 168
7. Joni Mitchell 157
8. 太田裕美 116
9. Maggie Reilly 130
10. EPO 108

というわけで、本年も本ブログ共々、“My favorite female singers”をよろしくお願いします。

Donna Lewis “Be Still” (2002)

“now in a minute”(1996), “Blue Planet”(1998)とヒットを連ねてからのしばしの沈黙を破る一枚。Atlanticレーベルと決別し、自主プロデュースでの発表。TowerやHMVの店頭でも遭遇しないので彼女のサイトから直接購入するしかないかな、と思っていたところにiTume Music Storeでの取り扱いが始まっていたので購入してみた。

彼女の初期作品はダンスチャートで強く、踊れるポップスという印象が世間的には強いのかもしれない。これに対して僕は以前のレビューでは「打ち込み系の割にはアコースティックなのが彼女の魅力」と書いた。本作はピアノを中心とするキーボード一台だけがバックという曲ばかりで、どっぷりアコースティックなのだ。評価は分かれると思うが、とてもよい作品だと思う。微妙にケルトっぽい音作りが混じる彼女のソングライティングの才能と、独特の声質がしみてくる。印象に残るのは、“Be Still”,“Moonbeam”, “Hands”のあたり。

Donna Lewisのページ

James Taylor, “at Christmas” (2006)

“Winter wonderland”, “Jingle Bells”, “Santa Claus is coming to town”, “Auld Lang Syne”(蛍の光)などの定番も入ったクリスマスアルバム。ジャズっぽいアプローチに、Jamesのアコースティックギターが絡むつくりの曲が多い。

Joni Mitchellの“River”を取り上げているのに興味を持って購入したのだが、歌詞こそ同じものの、コード解釈やメローディーラインの取り方がJoniのオリジナルのとはかなり違って聞こえて、「こうなっちゃうのかな?」というのが正直な感想。

“Baby, It’s cold outside”はNatalie Coleとのデュエット。これはなかなかよろしいです。

Christmas decoration

今住んでいるのは埼玉の奥地なのだが、それなりに区画面積の大きい戸建てが並ぶ環境ゆえ(私はそんなところに住んでないけど)、各家庭でクリスマスデコレーションが盛んに行われていたりする。近年はLEDが使われるようになったため、消費電力も少なくやりやすくなっているようだ。

思い出すのは、10年前にいたアリゾナの光景だ。道端に電飾サボテンがあるのには笑ったなあ。住宅地でも、特定のストリート沿いだけ周囲から浮いたように各戸が張り合っているようなところもあり、不思議な光景だった。

そんな中でも一戸だけ異様に目立つところがあったので車で近寄っていったところ、皆考えることは同じで車を降りて間近に見に行っている。それにならって近寄っていった私の目に映ったのは、聖書のキリスト誕生のエピソードをなぞる人形などのディスプレイだった。はっ、とした。ここには神がいるんだなあ、と。

ひるがえって見れば、サンタはいてもキリストはいない日本のデコレーション。それを職場の後輩に話したところ、彼が面白いコメントをくれた。「日本人はあの一週間で、三つの宗教の行事を、なんのことはなく次々とこなしているんですよ」と。確かに、クリスマス(キリスト教)・除夜の鐘(仏教)・初詣(神道)だ。